文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
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枝野は周辺に対し、「最初から山本の擁立なんて考えていなかった。宇都宮さんは最高の候補だよ」と強がって見せた。これに対し、国民民主党幹部は「宇都宮のような極左に、うちはのれない」と語り、

2020年07月10日 17時12分43秒 | 全般

以下は前章の続きである。
山本と宇都宮は共倒れも 
山本率いるれいわ新選組は、資金難に陥っていた。
去年の参院選で集めた4億円の寄付も底をつき、何とかして金を集めなければならなかった。
山本にとって都知事選は資金集めの格好の手段だった。
一方で、山本には立憲や共産党などの既存政党に対する深い不信感があり、自らの独自色を保つためには、既存政党に取り込まれたとのイメージは避けたい。
それでも、山本は小池に勝てる自信などなく、惨敗すれば山本の求心力は地に墜ちることから、出馬をためらっていたのだ。 
5月25日、山本は都内の宇都宮の事務所を訪れ、直接会談に臨む。
都知事選出馬について宇都宮に伝えるつもりの山本だったが、席に着くなり、宇都宮から逆に都知事選に出るとの決意を語られてしまう。結局、宇都宮の勢い気圧され、山本は何も言い出せなくなってしまったのだ。 
この日、宇都宮がツイッターで出馬表明すると、共産党はすぐに宇都宮支持を表明する。
こうした事態を受け、6月2日、枝野・福山らは最終判断をするための会議を開く。
ここで一致したのは、「共産党との関係を最優先にしよう」という一点。
出馬を躊躇する山本を切り捨て、共産党が推す宇都宮に相乗りすることを決めたのだ。
枝野は周辺に対し、「最初から山本の擁立なんて考えていなかった。宇都宮さんは最高の候補だよ」と強がって見せた。 
これに対し、国民民主党幹部は「宇都宮のような極左に、うちはのれない」と語り、国民民主党は自主投票を決める。 
実は、立憲と国民民主は、国会閉会後、合流に向けた協議を極秘裏に再開させていた。
今年1月に失敗に終わった両党の合流協議だったが、総選挙に備えてやはり大きな塊にまとまるべきだという声が両党から上がったためだ。
しかし、都議選の候補ですら理念の違いで足並みを揃えることができないのに、どうして党を一緒にすることができるのか。
選挙のためだけの野合は、さらなる混乱と失望を生むだけだろう。
そして、山本太郎は6月15日、国会内で都知事選への立候補を表明する。
記者会見で、山本は立憲を痛烈に批判した。 
「この局面で消費税5%減税をも決断できないのは致命的だ。人々が見えているのか」 
全都民への10万円給付や都内の全事業者への100万円支給など、相変わらずの“ばらまきポピュリスム”を公約に掲げた山本。
立憲の参議院議員、須藤元気はツイッターで「立憲としては宇都宮さん支持ですが個人的に山本さんを応援しています!」と発信した。
彼は、その後、立憲を離党することになる。 
立憲幹部は臍(ほぞ)をかむ。 
「これで宇都宮さんと山本が票を食い合うことになる。野党共闘は崩壊するし、小池に惨敗するのも確実だ」 
結局、野党は足の引っ張り合いに終始するばかりで、小池都知事の再選を後押しする始末。
宇都宮や山本が小池だけでなく、日本維新の会が推薦する前熊本県副知事の小野泰輔の後塵を拝することになれば、立憲や国民民主へのダメージは致命的だ。
この稿続く。


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