文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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日弁連元会長で「日本のサンダース」とも称される宇都宮は、枝野・福山にとっても「左翼の色が濃すぎる」という判断だった。

2020年07月10日 17時06分30秒 | 全般

以下は前章の続きである。
幻の「蓮舫都知事候補」 
通常国会が閉会し、永田町の最大の関心は7月5日投開票の東京都知事選に移った。
再選を目指す小池百合子都知事に対し、立憲の枝野は憎悪をたぎらせてきた。
3年前の衆院選における“希望の党騒動”で、自らを排除した小池を何としてでも引きずり下ろしたい。
立憲は、早々に小池への対抗馬擁立を決めたが、そこからは迷走につぐ迷走を重ねる。 
まず白羽の矢が立ったのが、立憲副代表の蓮舫だった。
前回の参院選東京選挙区で110万を超える票を獲得した彼女ならば小池にも勝てるという計算だった。
4月には蓮舫と共産党の小池晃書記局長が秘かに会談し、小池書記局長は「蓮舫さんなら勝てる。ぜひ出てほしい」と頭を下げた。
立憲としては、来る総選挙に向けて、この都知事選で共産党との共闘関係を強固にしたいという思惑もあった。
その意味で、共産党も支持する蓮舫は、格好の候補だった。 
その時に、蓮舫が出した条件は、①前川喜平元文科次官が副知事を受け入れること、②れいわ新選組代表の山本太郎と元日弁連会長の宇都宮健児が蓮舫を支持することの2点。
蓮舫も都知事選への挑戦を一時は決意したのだ。 
しかし、直後に事態は一変する。
東京都も含め全国に緊急事態宣言が出されると、小池の露出が急増し、支持率も上昇する。
この時点で行った情勢調査で、立憲側は「蓮舫でも小池には勝てない」との結果に愕然とする。
党幹部である蓮舫を落選させれば、そのダメージは計り知れない。
蓮舫擁立は幻に終わるのだった。 
立憲の選対委員長で、東京都連会長の長妻昭は、前川喜平や東京新聞記者の望月衣塑子の擁立も模索するが、失敗に終わる。
完全に手詰まりとなった長妻は、5月11日、立憲代表の枝野と幹事長の福山哲郎に対し、2つの選択肢を示す。 
「宇都宮健児さんにのるか、山本太郎にのるか、どちらがいいでしょうか」 
すでに立憲内部からの擁立を諦めていた長妻が示した選択肢に対し、枝野・福山は「山本で行こう」との決断を下す。
日弁連元会長で「日本のサンダース」とも称される宇都宮は、枝野・福山にとっても「左翼の色が濃すぎる」という判断だった。 
そこから長妻は、野党統一候補として、れいわ新選組代表の山本太郎を担ぎ出そうと説得工作に入る。
山本側の窓口に立ったのは、左翼系の活動家で、菅直人元首相の盟友とも言われる斉藤まさし。
同時に国民民主党の小沢一郎も山本の説得に乗り出した。
しかし、山本サイドは「れいわ新選組公認だったら出馬を考える」、
「消費税五%を各党がのむなら無所属でもいい」などと高飛車な態度をとり続けた。
れいわ公認では、野党共闘候補にならないし、かといって、立憲側は「消費税減税」はのめない。結局、交渉は行き詰まりを見せる。
この稿続く。


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