文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

民主主義が尊ぶ自由を悪用し、専制主義と対峙しない自由を気ままに行使されては、国民はたまらない。

2021年05月01日 22時29分03秒 | 全般

以下は今日の産経抄からである。
3月25日の記者会見で、世界の現状について「民主主義勢力と専制主義勢力の戦いだ」と説いたバイデン米大統領は、4月28日の施政方針演説では中国の習近平国家主席を名指しして呼んだ。
「専制主義者」。支配者が法律や民意に縛られず、思うままに行うのが専制政治である 。
「専制主義者たちは、民主主義は合意を得るのに時間がかかりすぎることから、専制主義国家に対抗できないと考えている」。
バイデン氏はこうも語ったが、この認識は正しい。中国の外交トップ、楊潔篪共産党政治局員は3月に「米国民の多くは民主主義への信頼を失っている」と言い放った。
確かに民主主義は手続きが煩雑で、国民の自由と多様なニーズを尊重するがゆえに手間がかかる。
専制主義国である中国・武漢発のコロナ禍によって、かえって民主主義国家の脆弱さが目立つ事態となったのは皮肉でもある。
だが、ここでひるみ民主主義に失望しても始まらない。
第二次大戦時の英首相、チャーチルのこの言葉は有名である。
「民主主義は最悪の政治といえる。民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」。
人間社会が、長年の経験と失敗を通じて学んだ知恵だろう。
いかに面倒で時聞がかかろうと、専制主義者や全体主義者の威圧や誘惑に屈してはなるまい。
ただ、手順を踏み熟議を重ねることと、やるべきことを放棄し、議論を引き延ばすのとは全く別である。
国会の憲法審査会で憲法改正論議は不要不急と主張したり、関係の深い中国に忖度し、少数民族弾圧行為を非難する国会決議に対抗したりする政党に、世界情勢はどう映っているのか。
民主主義が尊ぶ自由を悪用し、専制主義と対峙しない自由を気ままに行使されては、国民はたまらない。

 


最新の画像もっと見る