この中国の体質が今回の隠蔽工作で世界中の人々にばれました。

以下は2021年2月11日に産経新聞出版から、中国の電撃侵略2021－2024，と題して出版された、門田隆将と石平の対談集からである。
現在の日本を代表する気鋭の評論家である御両名の最新著作である。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読である。
中国が隣国として存在している日本国民全員は今すぐに最寄りの書店に向かわなければならない。
彼らならではの中国についての世界最高レベルの真実の解明である。
世界の人たちには私が出来るだけ知らしめよう。

p166－p176　

警察とテレビ局は同じもの

石平　

『疫病2020』にはもう一つ、「中国の独裁体制とは何か」という隠されたテーマがあります。

私は日本人によく聞かれるんですよ。「中国共産党一党独裁と言うけれども、日本もずっと自民党独裁じゃないですか？」と。

こういう質問をされると私はもうバカバカしくなって白けます。全然、意味が違うんです。

例えば、中国の隠蔽工作について西側の人々は、「政府が隠蔽工作を行えば、マスコミがそれを突き止めるんじやないか」とか「一部の権力者が隠蔽しても一般の委員会が事実を発信するんじゃないか」と思っています。

しかしそうではありません。

門田さんの本にあるように、「隠蔽工作」になると国家衛生健康委員会も地方政府もＣＣＴＶもみんな一斉にそれに取りかかるのです。

「なぜそうなるのか」という簡単な事実を実は外国人は案外知りません。

要は、ＣＣＴＶにも共産党委員会があり、健康委員会にも共産党委員会があるということなのです。　

中国は機関という機関、団体という団体に共産党委員会があります。

例えば、最初に新型肺炎を告発した武漢市中心医院の李文亮医師の場合、彼をつかまえて反省文を書かせたのは公安局ですが、”彼が反省した”ことについてはＣＣＴＶが報道する。

門田　

反省文を書いた当日に報道しています。

石平　

ということはどういうことか。

日本では警察と、例えばフジテレビは全く別々の組織ですが、中国では同じものだということです。

門田　

武漢市の李文亮氏には”後はサインをするだけ”の訓戒書が用意されていて、サインをすると、はるか彼方にある北京のＣＣＴＶが即座に報道したのです。

石平　

ＣＣＴＶを握っているのは共産党。警察を握っているのも共産党。病院も実は共産党が握っています。

門田　

病院内に「共産党規律検査委員会」がありますね。

小さな病院にはないですが、李文亮医師がいたのは4000人を超える職員がいる「三級甲等」という最高ランクの病院です。

つまり武漢を代表する大規模病院ですから必ず規律検査委員会がある。

石平　

規律検査委員会は共産党の組織ですね。

そしてＣＣＴＶ、警察、病院に命令することのできる組織とは何かと言えば、共産党中央の政治局。

では、政治局には誰が命令するのかと言えば習近平国家主席です。　

この中国の体質が今回の隠蔽工作で世界中の人々にばれました。

今まで知っているようで知らない、あるいは無関心だった人にばれたのです。　

ではその中国の体質の何か問題かを簡単に言えば、こういうことです。習近平主席がある日突然、頭がおかしくなったとする。

その狂った習近平主席が何かをすれば、世界中の人々が被害を受けることになるということ。

例えば習近平主席が明日にでも毒をばらまいて人類を滅亡させたいという願望を持ったとすると、できます。

あの体制なら見事にできる。ここが問題の焦点です。

この稿続く。