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NY株乱高下 高速取引も一因?…日経新聞8月14日4面より

2011年08月14日 11時43分02秒 | 日記
一般投資家離れの懸念

文中黒字化は芥川。

【ニューヨーク=川上穣】歴史的な乱高下に揺れる米国の株式市場で、コンピューターを使った株式の高速取引の台頭が不安定な値動きの一因だとの指摘が出ている。情報技術(IT)の進歩が生んだ構造変化だが、損失拡大のリスクを恐れる個人など一般投資家の株離れを招きかねない。

●値幅連日400ドル超 
8月の米株式市場は異常値ばかりだ。ダウエ業株30種平均の日中の値幅 (高値と安値の差)は、11日まで6日連続で400ドルを超えた。世界金融危機直後の2008年10月以来の記録となった。ニューヨーク証券取引所の売買高は12日を除き連日20億株前後と、7月の2倍以上に膨らんでいる。

乱高下の底流にあるのは米欧の財政や世界景気への不安だ。ただ同時に、米国で顕著な高速取引の普及が株価の振れ幅を大きくしているとの見方も広かっている。

「足元の株価の急落局面で高速取引業者の売買高は3倍に増えた」。高速取引の精算業務などを手がける米ウェットブッシュ証券の幹部が米メデイアに語った。

高速取引はコンピューターによる瞬時の自動売買で薄い利ざやを積み重ねる投資手法だ。相場の振れ幅が大きくなるほど、収益の機会は増える。米調査会社タブーグループのラリー・タブ最高経営責任者(CEO)も「8月は高速取引業者にとって記録的な1ヵ月になるだろう」と予測する。


07年に取引の電子化を促す本格的な規制緩和が行われ、高速取引の普及に弾みがついた。米国株の取引全体に占める比率は06年には約2割たったが、今年は5割を超える水準で推移。

ウェットブッシュ証券は、相場の不安定さが増した8月には「全体の75%に高まった」と推計する。
高速取引は市場の値動きに追随して売買を執行する特徴がある。

このため、相場は局面ごとに一方向に傾きやすくなる。高速取引の台頭が従来は考えられなかった値動きの荒さを招いている可能性は否定はできない。

●自動売買が市場席巻 
さらに、ヘッジファンドや大手機関投資家の損失確定の売り(ロスカット)も株価の値動きを不安定にしているようだ。こうした投資家は保有株の含み損が一定の水準を超えたら、自動的に売却するルールを設けている例が多い。

その瞬間の投資判断に基づくわけではない自動売買が市場を席巻し、下値不安を生んでいる面がある。
市場には危機感が募る。米証券業金融市場協会(SIFMA)は11日に「市場は正常に機能している」としつつも、「注意深く金融市場を監視していく」とするコメントを発表した。

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