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中国の食品・外食 外資、相次ぎM&A…日経新聞8月14日4面より

2011年08月14日 11時47分43秒 | 日記
個人消費狙う 当局の認可焦点

中国の食品・外食市場で外資によるM&A(合併・買収)が活発化している。スイス食品大平ネスレは7月、製菓大手の徐福記国際集団の買収で同社と合意した。

5月には米外食大手ヤム・ブランズが中国式鍋専門店大手、小肥羊集団の買収計画を公表。いずれも人口大国・中国の旺盛な個人消費を狙った動きで、中国当局が買収を認可するか否かが今後の焦点だ。

ネスレはシンガポール上場の徐福記の発行済み株式60%を17億ドル(約1300億円)で取得する。徐福記は中国風の菓子などを手掛ける。2010年6月期決算は売上高が前期比14%増の43億元(約510億円)で、純利益は同31%増の6億元だった。

「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」や「ピザハット」を展開するヤム・ブランズは、香港上場の小肥羊に27%強出資する第2位株主だが、93%強に引き上げる。買収額は最大で45億5700万香港ドル(約440億円)。

小肥羊は「火鍋」と呼ばれる中国式鍋料理の老舗チェーン。約350店を構え、10年の売上高は約19億元たった。

中国ではネスレはコーヒーなど西洋風の飲食料で実績があり、ヤム・ブランズはすでにKFCを3200店以上構える。両社の動きは地元の食文化に根ざしたメーカーやチェーン店を傘下に加え、中国市場をさらに開拓する点で共通する。

注目は、外資による大型買収への審査制度を設けている中国政府の対応だ。中国の食品・外食業界では09年、米コカ・コーラによる果汁最大手、中国匯源果汁集団への買収提案が独占禁止法に抵触するとして却下された経緯がある。

一方で、中国政府は6月、英酒類大手ディアジオが中国の上場企業で老舗白酒メーカーの四川水井坊を実質的に傘下に収める案件を認可。ディアジオが水井坊の親会社、四川成都全興集団の過半数の株式を取得し、経営を間接支配することになった。

ディアジオはウイスキー「ジョニーウォーカー」などで知られる。ネスレ自身、小規模ながら中国企業を相次ぎ買収している。2月に飲料水製造の雲南大山飲水、5月には清涼飲料の銀鷺集団を傘下に収めた。

匯源果汁と違い、徐福記や小肥羊の市場シェアは小さい。業界の推計では、徐福記は中国の菓子市場で2位ながらシェアは7%。水井坊と似た状況で、富士通総研経済研究所の金堅敏主席研究員は「公正取引上の問題がなければ、買収は認められる」との見方を示す。

(大連=進藤英樹)

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