以下は前章の続きである
もちろん、官房副長官時代にはメディア各社に番記者がいますから、彼らに対しては逐一説明しています。
それどころか、「番記者だからと言って私を庇うことはない。ただ、事実について本人が説明していることをデスクに上げてほしい」と言ったほどです。
しかし朝日新聞をはじめ、産経以外のメディアは直接取材には来なかった。
FAXでの後追い質問が送られてきた程度です。
朝日新聞はこの文書についても、政府側のコメントや松野大臣の会見内容を報じてはいます。
しかし、同じ記事に次のように書いています。
〈文科省が作成した「総理のご意向」などと記された文書をはじめ、加計学園をめぐる一連の文書をめぐっては、萩生田氏や内閣府、文科省でそれぞれ言い分かバラバラな状態だ。しかし、菅氏は会見で「それぞれの大臣が責任を持って答弁している」と主張。首相が状況に応じて会見などで説明するかどうか問われると、「考えていない」と否定した〉(「朝日新聞」6月20日付)
つまり、「政府側はそう説明しているが、真偽はまだ明らかになっていない。その疑惑を払拭したければ、総理自らがきちんと説明しろ」というわけです。
朝日新聞はいまもってこの姿勢を貫き通し、「疑惑が残った」「国民は納得していない」などと書き立てている。
たしかに文科省や内閣府の役人たちも、実際に国会答弁をする段になると保身に走って「記憶にない」などと口にするため、言い分かバラバラに見える面もあるのでしょう。
しかし、しっかりと取材すれば、おのずと事実は明らかになるはずなのです。
にもかかわらず、新聞記者ともあろうものが、彼らの言うところの「疑惑の張本人」に取材すら申し込んでこない。
これは「問題提起」したメディアとして、実に無責任な姿勢ではないでしょうか。
この稿続く。