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文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

日本は世界1位の金属資源大国 平沼光〈著〉 今朝の朝日読書欄から。

2011年05月08日 21時08分16秒 | 日記
リサイクルや海底資源に注目
 
尖閣諸島中国漁船衝突事件に端を発した中国のレアアース対日輸出制限、福島第一原発事故による電力供給問題は、我々に資源に対する考え方を根本的に見直すように迫っている。本書は東日本大震災の直前に書かれたものだが、そういった問題意識にまさに応えてくれる本だ。
 
著者は江戸のリサイクル技術に学べと提唱している。資源リスクが問われている現代日本にとっては、「今後、江戸の人々のように、身の回りにある資源をいかに有効活用していくかという視点が必要になる」。
 
家電製品類に使われている金属資源をリサイクルできれば、それは「都市鉱山」となる。その金・銀の蓄積量を、海外の地下埋蔵量と比較すれば、日本は世界1位だという。また、日本の広大な排他的経済水域にある海底鉱床には膨大なレアアースが存在し、黒潮が運んでくる海水にも大量のリチウム、ウラン、コバルトが含まれている。
 
それらからの採鉱を可能とする技術を生む日本人の「英知」も資源と考えるなら、日本は間違いなく「世界一の資源大国」になると著者は力説している。
 
その実現には、更なる技術開発、関係者の横の連携、法改正等を早急に進める必要がある。課題も多いが、著者の前向きな主張は読者の気持ちを明るくしてくれる。(講談社プラスアルファ新書・880円)

評:加藤出(エコノミスト)

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