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帰国後、杉嶋氏は日本の公安調査庁(以下、公安)に協力して提供した資料がことごとく北朝鮮当局の手に渡っていたうえ(公安に北朝鮮の二重スパイがいる可能性)、

2024年06月16日 11時39分29秒 | 全般
拳骨拓史 共産党スパイ5万人の恐怖
2016年11月17日 公開
2022年12月07日 更新
以下は前章の続きである。
政治家から情報が筒抜けに
MI6構想より防諜が急務

中国では2015年5月から在中邦人をスパイ容疑で逮捕、起訴する事件が相次いでいる。
拘束された人物は、中朝国境地帯で個人貿易をしながら北朝鮮情勢の情報を収集していた男性や、浙江省で人材派遣業を営む男性(人材派遣はヒト・モノ・カネを扱うため、情報を得やすい)、中国と35年にわたる付き合いがあり、中国人観光客誘致や技術指導をしていた人物(親中派のように振る舞っていたが、日本の二重スパイ)など多岐にわたる。

いずれにせよ、これだけの数の情報協力者が一斉に逮捕されるというのは、日本側の情報が中国へ筒抜けになっている可能性が高い。
むろん、これまでも中国で捕まった事例はあるが、裏で該当日本人を国外追放するなどで済ませてきた。

私がこの事件から想起するのは、日経新聞記者北朝鮮拘束事件である。

この事件は、1999年に日経新聞記者(当時)杉嶋岑氏が北朝鮮にスパイ容疑で拘束された事件である。

帰国後、杉嶋氏は日本の公安調査庁(以下、公安)に協力して提供した資料がことごとく北朝鮮当局の手に渡っていたうえ(公安に北朝鮮の二重スパイがいる可能性)、日本に協力した民間人が拘束された際に、政府がトカゲの尻尾切りのように「知らぬ、存ぜぬ」で乗り切ろうとした姿勢を厳しく批判している。
日本では内閣情報調査室、公安、警察庁、外務省、防衛省などさまざまな機関が独自で情報を入手しているが、今回、中国に逮捕された日本人はいずれも公安の協力者と見られることから、かつての杉嶋氏の事件と同じ事が起きているのではないだろうか。

2013年には、朱建栄東洋学園大学教授が日本との二重スパイの容疑で中国で逮捕されたが、その際、公安を含めたわが国の情報機関関係者との接触について厳しく取り調べられたという。
この動きを見ても、わが国の動きが筒抜けになっている可能性は高い。

早期に情報漏洩の原因を調査し、責任者を処分しなければ、このままでは身の危険を感じ、日本のために情報提供をしようとする者は現れないであろう。

現在、安倍内閣の下で日本版MI6構想が持ち上がっている。
だが、それよりも急務なのは防諜であり、国内に潜むスパイおよび二重スパイを排除するための法整備と体制づくりであり、事態が発覚した際に日本政府への情報提供者を安全に保護するための仕組みをつくることではなかろうか。


2024/6/12 in Kanazawa


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