文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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「平等」というと良い響きですが、私は平等や公平のPC(ポリティカル・コレクトネス)こそ、自由・民主主義社会を破壊する道具だったことをあらためて痛感します。 

2019年04月14日 01時19分18秒 | 日記

以下は有数の読書家に購読を薦められた以下の本からである。
自由・民主主義を破壊するポリティカル・コレクトネス 
洪 
親中・反米勢力は、韓国に根付いた自由民主の西欧文明を徹底的に破壊しています。
資本主義を真っ向から否定し、大企業、富裕層からお金を吸い上げ、社会主義の具現のみに邁進している。
「平等」というと良い響きですが、私は平等や公平のPC(ポリティカル・コレクトネス)こそ、自由・民主主義社会を破壊する道具だったことをあらためて痛感します。 
櫻井 
具体的には? 
洪 
2017年12月、ソウルへ取材に行った際に『トランプを当選させたPCの正体』(未邦訳)という優れた書に出会いました。
著者の洪知秀氏は長年、欧米のジャーナリズムを研究してきた人です。
彼女の本を読み、なぜアメリカや韓国のような自由民主諸国が現在のような状態になってしまったのか、長年の謎が解けました。 
本書の指摘でまず驚くのは、「PCという言葉を最初に使ったのは誰か」という問い。
答えは「レーニン」です。
1917年10月のボリシェヴィキ革命が成功しましたが、この「階級革命」は西欧の資本主義諸国には波及しなかった。
そこで当時の共産主義者たちが総括、検討して、新しい闘争方針を打ち出していく。 
マルクス主義の誤謬を分析したアントニオ・グラムシ(1891~1937年、イタリア共産党創設に携わったマルクス主義思想家)や、ルカーチ・ジェルジ(1885~1971年、「西欧的マルクス主義」を唱えた政治家)など共産主義者たちは、次のような考え方に至りました。 
「西欧文明が労働者階級の目を覆い、真の階級利益をわからなくさせている。共産主義革命を成功させるには、したがって西欧文明そのものを破壊せねばならない」。
すなわち階級闘争から「文明・文化の破壊による革命」への転換です。新しい価値を生み出すための文化テロリズムが始まり、韓国の伝統的価値を破壊するとともに、子供たちに性教育を施すことから文明・文化の破壊をスタートさせました。 
櫻井 
PCはレーニンが使った政治用語であった、という点は初耳です。
それは伝統文化を破壊する社会主義の文化戦略の一つだった、ということですか。
洪 
ええ。
韓国の左傾化は1980年の「光州事態」から本格化し、とくにソウルオリンピック後、急速に進みました。
私は韓国社会があっという間に左傾化したことに心底、驚き、原因を究明しはじめました。
研究者たちによる書籍や論文などが左傾化の歴史を追ってはいましたが、まだ解けない疑問がいくつも残りました。 
最も興味を引いたのは、東西冷戦で西側が勝ってソ連邦が解体したのち、アメリカが冷戦から手を引いてからの韓半島状況の展開です。アジアではすでに中国を軸とした新しい米中冷戦の萌芽が見られたにもかかわらず、アメリカは共産主義への警戒心を失ってしまった。自由陣営では韓国だけが共産陣営の攻勢に取り残されてしまい、あっという問に国内が左傾化した部分が大きい。
そこまではわかりましたが、理由という部分ではまだ多くの謎が残っていた。
ところが先に紹介した『トランプを当選させたPCの正体』を読んだところ、謎が解けたのです。 
第二次世界大戦が終わり、東西冷戦が始まると、資本主義の国々が社会主義の政策を大幅に取り入れて、真似するようになります。
社会主義諸国は「自分たちは、福祉は全部無料であり、理想的な福祉を実現している」と誇っていましたから、どうしても資本主義国も争って「福祉」制度を取り入れざるをえなくなった。 
櫻井 
実際に冷戦後、資本主義国は次々に手厚い福祉を導入していきます。日本の例を見るとよくわかるのですが、これは事実上の社会主義化といってもよい政策でしょう。
国が重い相続税などを課して親の遺産を税金で吸い上げ、累進課税制度を導入して高所得者層に膨大な税金を課すようになりました。そして集めた税金は貧しい人たちに分配する、という。 
まさに社会主義の発想です。
国によっても状況は異なるでしょうが、ここに述べたような社会主義的政策は、韓国でも強力に推進されたのでしょうか。
洪 
西洋文明の根源を破壊するPCの闘争が、韓国をターゲットに何十年にわたって執拗に展開され、実を結んだといえます。 
東西冷戦は、政治・経済の冷戦と、文化冷戦という二つの側面で進行していた。
ところが残念ながら、われわれの目には文化冷戦の本質が十分、見えていなかった。
その弱点を徹底的に突かれてしまったことが現在、先進国の大問題となっています。
この稿続く。


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