文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

(仏教徒としての世界観から)若冲は、絵画のどの部分にも『仏性』が宿っていると考えた」とし、それゆえ細部まで等しく芸術性を注いだ

2019年07月07日 17時54分47秒 | 全般

以下は今日の産経新聞の書評欄からである。
5年前の8月まで朝日を購読していた時分に精読していたのが書評欄だったのだが…天声人語等は殆ど斜め読みしていた…結局は、しょうもないだけではなく日本に天文学的な損害を与え続けて来た連中の書評を読まされていた事に対する無念さと怒りから、朝日の購読を止め、産経、日経、読売の3紙の購読に切り替えてからも書評は殆ど読まなくなった。
たまに産経の書評だけは読むことがある。今日がその日だったのだが、ご紹介したい良い書評が二つあった。
先ず、
ハーバードの日本人論(中公新書ラクレ・880円十税)
真のグローバル化のために 佐藤智恵さん
ロボット好き、細部へのこだわり、長寿、義理・忠義、ものづくりと清掃の精神、物語を伝える力…。
世界が注目する「日本人の特性」。
その根源について作家、コンサルタントの著者が、米ハーバード大の教授10人にインタビューした。
メディア論、美術史、遺伝学、分子細胞生物学など幅広い分野の知性から「目からウロコでした」という日本の魅力をたぐり寄せた。
たとえば、「日本人はなぜ細部にこだわるのか」にその体現者である江戸時代の天才絵師、伊藤若冲を研究するユキオ・リピット教授は「(仏教徒としての世界観から)若冲は、絵画のどの部分にも『仏性』が宿っていると考えた」とし、それゆえ細部まで等しく芸術性を注いだと解す。 
人気授業「サムライから学ぶ人生論」のデイヴィッド・C・アサーン助教授は「日本人はなぜ世間体を気にするのか」を官僚主義を身雇用制同様、「江戸時代の武家文化に由来する」と説く。
ちなみに、同助教授いわく、サムライとハーバードの学生は「社会のエリートだが、苦悩も深い」という共通点もあるとか。 
ほかに、「なぜ物語の結末を曖昧に描くのか」(文学)、「本当に世襲が好きなのか」(政治)、「なぜものづくりと清掃を尊ぶか」(宗教)などに迫る。 
取材を通じて、「日本人の独自性、ユニーク性は宝だと思いました。日本文化の根底には"秘伝のソース"があるという人も」。
そのうえで、「日本人の強みを知り、それを最大限に生かして国際社会で価値を発揮することが真のグローバル化。日本人は勉強熱心で知識はあるけど、それをどう生かし、行動するかが重要です」と力を込める。  
「日本人のことがわかると外国人とも自信をもってつきあえる。この本がそのヒントになればうれしい」 
東京輪も控え、日本人として読んでおきたい一冊だ。
(三保谷浩輝)      
◇ さとう・ちえ 昭和45年、兵庫県生まれ。東京大学教養学部卒、コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。NHK、ボストンコンサルティンググループなどを経て独立。『ハーバード日本史教室』など著書多数。  


最新の画像もっと見る