文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
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しからば、ノーベル平和賞とは、一体、何なのか。

2024年06月03日 07時07分19秒 | 全般

2017/10/27
既述の様に、私は、今、テレビ朝日の報道ステーションも、TBSのニュース23も、全く見なくなった。
正に完全にである。
理由は言うまでもない。
それでNHKのwatch9を見ているのだが、今も、桑子と有馬は、本当に酷い。
彼等は朝日新聞そのものである。
日本が国連で発言力が低下している、などと言うから何の事かと思えば、例のノーベル平和賞に絡めて、日本を批判しているのである。
日本は核軍縮に…すべきだ、と有馬と桑子は、小学生の意見の様な事を…正に平然と言っている。
この平然と言う言葉を私が敢えて使用するのは、トランプ大統領がユネスコの脱退を正式に表明した日に、トランプは、平然と…と、「平然と」を大声で言って非難していた言葉だからである。

北朝鮮の核開発に対して、何の力も持ち合わせていない日本が、北朝鮮に立て続けに、日本上空を通過するミサイルを打たれても何の対応もできない日本が、どのような核軍縮を言って、どこの核保有国が、耳を傾けると言うのか?
似非モラリズムによる学芸会の連発。
つまり、今日は、朝日新聞と同様に、ノーベル平和賞を絶対化して、
日本国と日本国政府を非難しているのである。
しからば、ノーベル平和賞とは、一体、何なのか。
奇しくも昨日発売の月刊誌Willに島田洋一教授が、以下の内容の、目から鱗が落ちる見事な論文を掲載している。

天下の大道
ノーベル平和賞の深層
ノーベル経済学賞というものは実は存在しない。
スウェーデン人アルフレッドノーベルの遺言と遺産によって創設されたのは、物理学、化学、生理・医学、文学、平和の五部門で、「経済学」は、スウェーデン中央銀行が1968年に設け、賞金も同銀行が出す全く別の賞である。
ただ「スウェーデン中央銀行賞」ではどこもニュースにしないため、ノーベル経済学賞をいわば僭称したわけだが、狙い通り、世界的権威を得るに至った。 
ところで、本家のノーベル賞5部門に、そもそも権威にふさわしい実態があるのか。
ここでは、筆者にも判断可能な平和賞に限って見ていこう。 
ノーベルは平和賞のみ、選考権限をスウェーデンの関連学術団体ではなくノルウェーに与えている。
具体的には、ノルウェー国会が任命する5人の委員が選考に当たると遺言された。 
なぜノルウェーなのか。
ノーベルは理由を明記していないが、当時、スウェーデンとノルウェーは連合王国を形成しており、相対的に弱いノルウェーの方が非軍事的手段に一段と知恵を巡らすと期待したのではとも言われる。
いずれにせよ、平和賞は、北欧の小国ノルウェー(人口500万人強)の、リベラル派多数の国会が選考する賞であり、それ以上でも以下でもない。 
今年のノーベル平和賞は運動団体「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)に与えられた。
選考委は授賞理由で、「北朝鮮にみられるように、多くの国が核開発に取り組む現実の脅威がある」と述べているが、北のような極度に非人道的な犯罪集団には軍事オプションも必要といった発想は、委員らの思考回路に決して入ってこない。 
なお朝鮮半島絡みでは、太陽政策で北に多額の資金・物資を渡し「現実の脅威」を拡大させた金大中韓国大統領が受賞している(2000年)。
今後、もしトランプ政権が軍事力で北の独裁体制を倒し、脅威を除去したとしても、ノーベル平和賞の候補にすら挙がらないだろう。 
ちなみに米大統領では、過去に4人が受賞している。
その内、ウッドロ-・ウィルソン、ジミー・カーター、バラク・オバマの三人は民主党所属で、リベラルインテリ好みの分かりやすい人選である。
カーター受賞に際しては、選考委員長が「これは現在の米政権の路線への批判と解釈されるべきである」と「テ囗との戦争」に邁進するブッシュ長男大統領(共和党)への牽制を意図したと明言してもいる。
いかなる独裁者とも軍事解決ではなく話し合い解決を目指すべきとする力-ターは、反ブッシュ・反レーガンの象徴であると同時に、選考委員会の姿勢の象徴でもあった。
唯一異色なのは、セオドア・ルーズベルト大統領(共和党)への授賞である(1906年)。
ルーズベルトは米西戦争中、突撃部隊を率いた勇猛果敢な戦いで名を馳せ、生涯、尚武の精神を説いてやまなかった。 
選考委は、日露戦争終結を調停した功績を授賞理由に挙げたが、実際は、国民投票でスウェーデンからの独立を決めたばかりで、不安定な状況にあったノルウェーが、授賞によって、大西洋を挟んで台頭する新興大国との関係強化を図ったのではないかと言われている。
当時の選考委員長は、ノルウェー政府の外相でもあった。
つまり、平和賞はノルウェーの国益と無縁ではない。
それゆえ反捕鯨団体などが受賞することはないだろうと言われる。
ノルウェーは、国際捕鯨委員会の決定に従わず、商業捕鯨を続けている国である。 
ノーベル平和賞に意義が認められるのは、独裁権力と戦う人権・民主活動家に授賞された場合に限られると言っても過言ではない。
ソ連のサハロフ(1975年)、ポーランドのワレサ(1983年)、チベットのダライ・ラマ(1989年)、中国の劉暁波(2010年)などがその例である。
いずれも立派な決定であった。
今後、授賞対象をできるだけ人権活動家に絞るよう、日本政府も外交的働きかけを行うべきだろう。
ちなみに、1945年はコーデル・ハルが受賞している。
日本では過酷なハル・ノートで知られる米国の国務長官である。
死を前にしたフランクリン・ルーズベルト大統領の働きかけが功を奏したと言われている。 
今後警戒すべきは、中韓が、慰安婦に関する国連報告書で有名な(悪名高い)ラディカ・クマラスワミ(スリランカ出身の法律家)などを推してくる展開だろう。
またノーベルは国家間の「友愛(fraternity)に尽くした」を授賞条件に挙げている。
友愛と言えば鳩山由紀夫元首相の代名詞であり、中韓が同氏の受賞を画策してくる事態も考えられる。
「まさか」といった楽観は斥け、政府はノーベル平和賞対策により真剣に当たる必要があろう。

しまだ よういち
1957年、大阪府生まれ。福井県立大学教授(国際政治学)。国家基本問題研究所企画委員、拉致被害者を「救う会」全国協議会副会長。


2024/5/29 in Osaka

 


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