有数の読書家である友人が、この本の中には、貴方の論説が100%正しい事を証明している章があるからと購読を促してくれた。
下記の、世界最高の中国ウォッチャーである宮崎正弘氏と石平氏の対談本である。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
p146-p154
第4章 コロナより怖い「中国一人勝ちの脱炭素」の罠
前文省略
中国が仕掛けた大ペテンの事業・電気自動車(EV)の罠
石平
これからの四年弱、バイデンが大統領として、まっとうに責任を果たせるかどうかは別にして、米中関係は今後、どうなりますか。
宮崎
我々の希望からいえば、アメリカはしっかり中国に対してあらゆる面で強硬派になってほしい。
経済は親中、政治は反中という二律相反(政冷経熱)が今のあり方です。
ヨーロッパもいまだにそのレベルだし、日本に至っては財界が90%、中国に顔を向けている。
日本政府が中国から撤退した企業に補助金を出すといっても、まだ80社ぐらい。
撤退してくるどころか、逆に中国進出が増えている。
ファナックはロボットエ場増設に260億円投じ、日本電産も中国での事業転換に積極的です。
日本の対中純投資は増えています。
そのうえに、中国が仕掛けた大ペテンの事業があります。
それは、コロナより怖い。コロナは少なくとも数年足らずで解決する問題です。
しかし、この電気自動車(EV)はこれから先、何十年にも及ぶ災禍を、日本を初めとする自由世界にもたらす恐れがある。
西側がどうしてこれに引っ掛かったか。
それは脱炭素がらみの気候変動への恐れが背景にあります。
トランプが脱退したパリ協定(地球温暖化対策の国際的な枠組み)にも復帰し、アメリカは2050年までに「カーボンニュートラル」(二酸化炭素の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態にする)といった実現不可能なことをバイデン大統領は言い出す。
日本政府も菅総理が公式に「カーボンニュートラル」脱炭素社会の実現を2050年までに目指す、2030年までに2013年度に比べて二酸化炭素を46%削減すると言明しましたね。そのためには、火力発電の増設はしない方針を明らかにしています。
しかも”実質的”に原発は稼働させない。となると将来、問違いなく電力不足に陥る。
それで、日本はどうするのか。この大問題にみんな黙っている。
すべてがEVになったら、それを走らせるために必要な使用電力量は2倍に増えるのですよ。
そのことを専門家でも誰もほとんど触れない。地球環境改善とかきれいごとだけ。
アメリカの大手自動車メーカーGMは、2030年までに全モデルをEVに替える計画を発表しました。
フォルクスワーゲンもそうです。みんな「右に倣え」で中国が仕掛けたEVに向かって一斉に動き出す。
集団のネズミが海に向かって、崖から落ちて集団自殺する、あの話と同じです。
世界中の自動車メーカーが、崖から落ちようとしている。
そんな「バス」に乗るのは愚かだというしかない。
この稿続く。
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