宮崎正弘氏の下記の著作は日本国民のみならず世界中の人たちが必読である。
p261~p263は、日本国民のみならずドイツ国民も必読である。
「国連ファースト」という夢遊病
もし、中国が尖閣諸島を軍事的占領という行為に出た場合、米軍は出動するだろうか。
歴代米政権は、このポイントを曖昧にしてきたが、オバマ政権以後は「安保条約の範囲内である」と明言するようになった。
ただし、「守る」とは言っておらず、結局、侵略された日本が自ら奪回するしかない。
北方領土はロシアが盜んだまま、竹島は韓国が盗んだままであり、この状態を知る中国が隙を見て奪取に動くのは歴然としている。
あれだけ日中友好とのたまう習近平も、尖閣諸島の問題ははぐらかしてきた。
ケント・ギルバート『日本人が知らない朝鮮半島史』(ビジネス社)は、アメリカ人のホンネを遠慮なく語っている。
ケント氏は儒教を論じた書籍があり、朝鮮半島の歴史にくわしい。
三韓征伐、白村江、秀吉の朝鮮征伐、朝鮮通信使。
そして幕末の征韓論、伊藤博文暗殺、日韓併合、日清・日露戦争と、日本があの半島とかかわるとろくなことが起こらない。
巻き込まれたくないというのが日本のホンネであり、韓国は「ストーカー国家」でしかなく、北朝鮮は「カルト国家」であると、多くの日本人は認識している。
ケント氏の認識もこれに近いが、ディテールとなると、やはりアメリカ人的な世界観があって、そこから北東アジアの地政学的な見地に立脚して論を進めるので、類似書とは二味も三味も違う。
だからアメリカ人のホンネを聞いた気になった。
アメリカのホンネは韓国から撤退したいのである。
ストーカー国家の振る舞い、二重人格、他人の迷惑をなんとも思わない激しい無責任ぶりにうんざりしているからだ。
だが、韓国に対して駐韓米軍の費用増を求めるものの、なかなか撤退の決断ができないのは、次の三つの事情によるとする。
第一は、過去の「朝鮮戦争の大きな犠牲」である。
数万のアメリカ人兵士の遺族に対して、おめおめとは朝鮮半島から出て行けない心理的な強迫観念ともいえるものがこひりついて離れないのだ。
第二に、「安全保障を左右する地政学的重要さが、まだ韓国、というより朝鮮半島にあるから」だとする。
第三に、アメリカにとっては中国と日本の緩衝地帯という地政学的な意味づけがある。
ケント氏の見るところ、中東は「損切り」できるが、北東アジアは撤退の選択肢があるとはいえ、できないだろうと結論する。
ならば日米安保条約により「同盟国」扱いされている日本に、アメリカはいつまで米軍基地を置いておくつもりなのか。
ケント・ギルバート氏は親日家ではあるが、国際政治については冷徹な力学に立脚して判断しており、「米軍はべつに日本を守るためにいるわけではありません。(日本を)緩衝地帯として考えています。だからアメリカ軍は日本に駐留を続けている」と、実直かつ冷静に厳正にアメリカの国益を代弁する。
このあたりにアメリカ人のホンネがぽろりと語られた。
トランプはアメリカ・ファーストを標榜したが、それを批判する側の列強も「国際秩序」を看板に掲げながらも、実質は自国ファーストだ。
自分の国の権利を優先させるのは常識である。
しかし、国際社会の常識が通じない日本だけは「ジャパン・ファースト」で はなく、「国連ファースト」の夢遊病に罹患しているのだが……。
もし、中国が尖閣諸島を軍事的占領という行為に出た場合、米軍は出動するだろうか。
歴代米政権は、このポイントを曖昧にしてきたが、オバマ政権以後は「安保条約の範囲内である」と明言するようになった。
ただし、「守る」とは言っておらず、結局、侵略された日本が自ら奪回するしかない。
北方領土はロシアが盜んだまま、竹島は韓国が盗んだままであり、この状態を知る中国が隙を見て奪取に動くのは歴然としている。
あれだけ日中友好とのたまう習近平も、尖閣諸島の問題ははぐらかしてきた。
ケント・ギルバート『日本人が知らない朝鮮半島史』(ビジネス社)は、アメリカ人のホンネを遠慮なく語っている。
ケント氏は儒教を論じた書籍があり、朝鮮半島の歴史にくわしい。
三韓征伐、白村江、秀吉の朝鮮征伐、朝鮮通信使。
そして幕末の征韓論、伊藤博文暗殺、日韓併合、日清・日露戦争と、日本があの半島とかかわるとろくなことが起こらない。
巻き込まれたくないというのが日本のホンネであり、韓国は「ストーカー国家」でしかなく、北朝鮮は「カルト国家」であると、多くの日本人は認識している。
ケント氏の認識もこれに近いが、ディテールとなると、やはりアメリカ人的な世界観があって、そこから北東アジアの地政学的な見地に立脚して論を進めるので、類似書とは二味も三味も違う。
だからアメリカ人のホンネを聞いた気になった。
アメリカのホンネは韓国から撤退したいのである。
ストーカー国家の振る舞い、二重人格、他人の迷惑をなんとも思わない激しい無責任ぶりにうんざりしているからだ。
だが、韓国に対して駐韓米軍の費用増を求めるものの、なかなか撤退の決断ができないのは、次の三つの事情によるとする。
第一は、過去の「朝鮮戦争の大きな犠牲」である。
数万のアメリカ人兵士の遺族に対して、おめおめとは朝鮮半島から出て行けない心理的な強迫観念ともいえるものがこひりついて離れないのだ。
第二に、「安全保障を左右する地政学的重要さが、まだ韓国、というより朝鮮半島にあるから」だとする。
第三に、アメリカにとっては中国と日本の緩衝地帯という地政学的な意味づけがある。
ケント氏の見るところ、中東は「損切り」できるが、北東アジアは撤退の選択肢があるとはいえ、できないだろうと結論する。
ならば日米安保条約により「同盟国」扱いされている日本に、アメリカはいつまで米軍基地を置いておくつもりなのか。
ケント・ギルバート氏は親日家ではあるが、国際政治については冷徹な力学に立脚して判断しており、「米軍はべつに日本を守るためにいるわけではありません。(日本を)緩衝地帯として考えています。だからアメリカ軍は日本に駐留を続けている」と、実直かつ冷静に厳正にアメリカの国益を代弁する。
このあたりにアメリカ人のホンネがぽろりと語られた。
トランプはアメリカ・ファーストを標榜したが、それを批判する側の列強も「国際秩序」を看板に掲げながらも、実質は自国ファーストだ。
自分の国の権利を優先させるのは常識である。
しかし、国際社会の常識が通じない日本だけは「ジャパン・ファースト」で はなく、「国連ファースト」の夢遊病に罹患しているのだが……。
