文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

ケネディはオリバー・クロムウェルの「神に祈りつつ、火薬は湿らさないでおけ」という言葉が好きで、キューバ危機の時なんか何回も演説に引用

2022年02月01日 18時36分14秒 | 全般

以下は、現在発売中の月刊誌Hanadaに掲載されている、堤堯氏と久保紘之氏の連載対談からである。
やっと「文明のターンテーブル」発信作業を手伝って頂けるバイト生が見つかった事は既述の通り。
奇しくも、堤氏は私の母校の先輩であり、久保氏はバイト生の先輩である。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
見出し以外の文中強調は私。
問題は公明党 中国の代理人だよ
親中三羽ガラスの”活躍”
以下は前章の続きである。
自民党と公明党は骨絡み

馬のクビ掴んで無理やり水を飲まそうとしても飲まない。馬並みの議員が与野党を問わずいる(笑)。
だけど今回は同じ野党でも、維新や国民民主党など憲法論議をやろうという勢力がいるから、議論を進める土俵ができつつある。
一番の問題は公明党だ。中国は日本に憲法改正をしてほしくない。その意を汲んで、抑止力の働きをしているのが公明党だ。
昨年十月の衆院選の折、公明党代表・山口那津男はこう演説した。
「自民党には幅の広いいろいろな主張がある。公明党の役割はアクセルとブレーキを適切に踏み分けることと、ハンドルをしっかり握ること。道幅を右にそれたり、左にそれたりしないようにコントロールする役目がある。まさにそうした役割が大事だということを強調していきたい」
ハンドルを握る運転手は自民党総裁・岸田文雄のはずだ。なのに不肖・山口がハンドルを握って自民党をコントロールして、中国のために憲法論議にブレーキを踏んでみせるといわんばかりのセリフだ。
まるで中国の代理人のような存在だな。
久保
とはいえ、自民党と公明党は骨絡みになっていますからね。
自民党は地方組織はもうガタガタで、公明党がいないとやっていけない。
一方の公明党も、創価学会の世帯数は減っている。もうお互いに協力しないと、政権を維持できない状況です。

不思議なのは、公明党は創価学会が母体の宗教政党だ。共産主義は宗教をアヘンと断じて弾圧する。中国共産党も、法輪功やキリスト教を弾圧している。
なにしろ2000近くの教会をぶっ潰している。仮に日本が中国の属国になったら真っ先に潰されるのは自分たち創価学会なのに、なぜ中国に加担するのかね。
増やした味方がいなくなる
久保
たしかに戦前、軍部独裁による宗教弾圧と戦った不屈の創価学会が売りの公明党らしくないですねえ。
ところで、岸田の親中姿勢は「アメリカ一辺倒、反中国だけでいくのは危険で、中国と親しくしておくのも外交カードとして持っておくべきだ」という理屈でしょう。たとえば、エマニュエル・トッドも1月9日付読売新聞で、同じようなことを言っています。
「理想主義も重要です。戦争の可能性だけでなく、平和の可能性についても検討しなければなりません。つまり日本が中国と良好な関係を改めて築くことです。今はその好機と私は考えます」「米中対決という重大な危機を武力ではなく、分別で解決することは21世紀の人類の務めです。日中関係が改善すれば、米中間の緊張は幾分和らぐでしょう。日本は大事な鍵を手にしています」
この考えは、戦後ずっと日本の外交スタンスとして存在し続けていました。
しかしここで重要なのは、軸足をどこに置くかなのです。
つまり、戦争か平和かという時に、平和にだけ軸足を置き、戦争をしないように行動するのか。
戦争への備えをしながら平和を訴えるのかーこれは大きな違いなのです。
トッドは触れてはいませんが、戦争に備えておくことは当然論理の大前提にあるでしょう。
しかし戦後政治は憲法などを理由に、平和に軸足を置いて、戦争を頭から排除してしまっているから問題なのです。
ケネディはオリバー・クロムウェルの「神に祈りつつ、火薬は湿らさないでおけ」という言葉が好きで、キューバ危機の時なんか何回も演説に引用していたそうですが、日本の場合は湿らさないようにしておく火薬さえほとんどないに等しい(笑)。

カール・シュミットは、政治の要諦は敵と味方を峻別することだと言った。味方を増やすこと、それが外交の要諦だ。
味方を増やすことは自分の安全保障を高め、敵に対しての抑止力にもなる。
その観点からみれば、前述したように、中国共産党政権を援助したところで、中国が日本に恩義を感じることはない。
なぜなら、彼らの華夷秩序からみて日本は東夷で、所詮は朝貢国として認識し、日本の援助を当然のことだと思っているからだ。
なのに岸田、林、茂木の親中三羽ガラスは、そこんところがわからない。なにかと習近平のアゴの下をくすぐればしのげると思っている。
結果、安倍が約9年をかけて構築した「自由で開かれたインド太平洋構想」、そこから発展したQUAD、AUKUSなど中国包囲網を、なんのことはない、言い出しっぺの日本からなし崩しにするのか、という感じを中国包囲網のメンバーに与えかねない。
せっかく安倍が築いた味方陣営が崩れてしまう。
変化してしまった吉田路線
久保
自民党内には吉田保守本流政治という路線があり、それに対決する形で岸信介や鳩山一郎の路線がありました。
この岸・鳩山路線を継承する形で中曽根や安倍が出てきて、それによってようやく日本の保守がアメリカべったりでない真っ当な保守の路線になった、という流れになります。
一方、岸田の属する宏池会は吉田の直系で、岸田は池田から数えて9代目になり、日米基軸外交、非軍事的経済中心主義、官僚重視といったいわゆる吉田ドクトリンの正統な継承者ということになっています。
しかし、吉田自身はのちに「日本の防衛や経済をいつまでも他国に頼るという段階は過ぎた」(『世界と日本』昭和38年)とか、「場合によっては日本も核武装をするくらいの気持ちと覚悟を持つべき」(「日米協会での講演」昭和37年)とか、自らドクトリンの修正を問題提起している。
ところが、吉田の後継者たちはあとになればなるほど初期の吉田ドクトリンを、まるで普遍であるかの如くイデオロギー化、あるいはドグマ化してしまっている。
それが最高潮に達したのが宮澤喜一の時代です。この落差はなぜ生まれたのか。
その理由を、高坂正堯(『成功の逆説』)はこう説明しています。
「吉田茂は様々な可能性の中で悩み抜いて選択するから、その限界点についても熟知している。しかし、それが成功すればするほど、これを継承する人はこのままでよいと思ってしまう」岸田はその宮澤の影響を受けた男です。
その意味で、岸田ら宏池会が主張する吉田路線とは、中曽根の「戦後政治の総決算」や安倍が掲げていた「戦後レジームからの脱却」の対象となった戦後政治や戦後レジームを支えてきた路線と言えて、宏池会はその路線を受け継いでいると同時に、戦後の親中親韓外交路線を主導してきた中心的勢力と言えるのです。

吉田茂から池田勇人までは、問題なかった。
ところが、田中角栄とつるんだ大平正芳あたりからおかしくなって、宮澤喜一がダメ押しとなり、宏池会は吉田茂の保守本流路線とは違ったものになってしまっている。
1月7日の産経新聞で、阿比留瑠比さんがこんなことを書いていた。
2010年9月の菅直人内閣は64.2%と高支持率だったのに、尖閣沖で起きた中国漁船衝突事件で中国人船長を無罪釈放したら48.5%と急落。
その後も落ち続け、12月には23.6%。わずか3ヵ月弱で40ポイント以上下落した、と。
対中非難決議も出させず、中国に甘い姿勢を続けていれば岸田政権もあっという間に支持率が下がって、岸田では選挙にならないと、参院選前に岸田降ろしなんてことになりかねない。
久保
それにしても、岸田政権がいまでも6割以上の支持率があることが不思議です。トンチンカンで朝令暮改の連続でしょう。

いわゆる「「ネムーン」期間が終わっても、メディアが岸田批判をしないからかな。
久保
朝日や赤旗なんて、岸田批判をしないどころか、いまだにモリ・カケ・桜がどうしたと安倍批判をしていますが、他の報道は全く元気がない(笑)。
昔、左翼の右翼批判に「(左翼なしに)右翼は独自の存在理由を持たない」というのがあったけど、いまや朝日や赤旗は、安倍や菅なしに独自の存在理由を持たないということかな(笑)。
この稿続く。


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