以下は前章の続きである。
「非常に脆い国」
他方中国の教育水準は全体的に見れば低く、若い世代の高等教育進学率は6%だ。
日本や欧米先進国のそれに較べれば非常に低い。
人口の出入りで見ると、すべての欧州諸国、加えて日本も、流入人口が流出人口を上回っている。
だが中国は違う。
中国の統計は信頼できない面もあるが、通常使われる数字によると、毎年150万人が中国から外国に流出している。
彼らの多くが中国には戻らない。
だが流出する彼らこそ、中国人の中で最も活力があり、開明的な人々である。
トッド氏が結論づけた。
「こうして考えると、中国は大国ですが、非常に脆い国なのです。将来的に危機を回避できない国であると、考えています」
北京発、原田逸策記者の非常に興味深い記事が11月10日の「日経新聞」に掲載されていた。
中国が産児制限の撤廃を検討中という記事だ。
中国の現在の出生率1.3が続くと、今世紀末までに中国の総人口は現在の13億人強から約6億人に半減する。
他方、現在3億2000万人の米国の総人口は4億5000万人に増えるというのだ。
となると、習氏が高らかに謳い上げたように、2030年前後までには経済(GDP)で米国を追い抜くことができるとしても、今世紀後半には再び逆転される可能性があるという。
日本は米中の戦いに、そこまで考えて対処しなければならない。
日本の選択は短期的に見て米国との協調、同盟路線を続ける以外にないのだが、中・長期的展望を考えてみても、やはり答えは同じになる。
隣国中国とのつき合い方は、中国が共産党一党支配をやめない限り、最大限の警戒心を持って対処するということに尽きる。