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中国、世界の土地囲う…農林・鉱業、10年で600万㌶高まる警戒… 中国企業がアジアやアフリカの土地を囲い込んでいる。

2021年07月16日 15時51分54秒 | 全般

以下は7月11日の日経新聞からである。
中国、世界の土地囲う 
農林・鉱業、10年で600万㌶高まる警戒
中国企業がアジアやアフリカの土地を囲い込んでいる。
国外で過去10年に取得・貸借した面積を集計すると米国はじめ他の主要国を圧倒する。
食糧や資源の供給源である新興国・途上国が経済的に支配されることへの懸念や、安全保障上の警戒論も高まっている。 
ミャンマー北部カチン州。
市街地から離れるとバナナ農園が視界に広がる。
高さ3㍍ほどの木が密集し、濃い影を落とす。2015年ごろから開発が加速し、見通しの良かった景観が一変した。 
非政府組織(NGO)などの調べでは農園の多くに中国資本がかかわる。
国連統計で13年に150万㌦だったバナナの輸出額は20年に3.7億㌦と250倍に増えた。ほぼ全量が中国向けだ。
現地住民によると「2月のクーデター後も農園はこれまで通り運営されている」。国軍にも貴重な税収源になるためだ。 
中国資本で地域が変わる光景は各地に広がる。
天然ゴム産地のベトナム南部ビンフォック省では75㌶もの土地で大量の豚が飼われ始めた。
中国畜産大手、新希望六和が19年に設けた養豚場だ。同社は「稼働から1年が過ぎ、体制が整ってきた」という。ベトナム中部や北部にも拠点を広げた。 
欧調査機関ランドマトリックスによると11~20年に中国勢が押さえた世界の農業・林業・鉱業用地は648万㌶。
北海道の4分の3超の規模で、英国勢の156万㌶や米国勢の86万㌶、日本勢の42万㌶を大きく上回る。 
中国勢が国外に触手を伸ばす背景には経済発で膨らむ内需がある。
土地を囲えば、世界的に需給が逼迫する資源の安定調達にもつながる。 
林業はコンゴ民主共和国の土地が過半を占める。
木材価格が高騰するウッドショックが各国に一広がるのを尻目に、現地では中国企業の万鵬が大作量の木材を自国に輸出する。
在日コンゴ大使館は日本経済新聞の取材に「契約についてはノーコメント」と答えた。
鉱山の囲い込みもある。
米アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所などの調査では、19年に中国五鉱集団がタンザニアの鉱山に2.8億㌦、20年に中国有色鉱業集団がギニアの鉱山に7.3億㌦を投資した。
電気自動車(EV)の蓄電池などに必要な鉱物の確保が徂いとみられる。  
進出先の国は潜在的リスクを抱える。経済効梁が大きいほど依存も深まるからだ。
かねて中国は 広域経済圏「一帯一路」構想を掲げる。
開発に伴って現地国側が重い借金を負い、支配から抜け出せなくなる「偵務のワナ」の問題もある。 
スリランカでは5月、最大都市コロンボ郊外の高速道路を中国港湾工程(CHEC)が受注した。 
建設後そのまま所有し、利益を回収した上で18年後に引き渡す。
CHECが同国南部の港を整備した際は中国が融資し、返済に窮したスリランカが99年間の運営権を譲渡した。
債務のワナだ。
今回の道路も入札が不透明との噂がくすぶる。 
対岸の火事とも言っていられない。
日本は6月、安全保障で重要な土地の取引を規制する新法ができた。
中国に念頭にに外資の不透明な進出を防げるようにする。既に北海道の航空自衛隊千歳基地の周辺などで外資が土地を取得した事例がある。 
一般の森林などにはまだ網がかかっていない。
農林水産庁によると国内で外資が取得した農地は46㌶、森林は7560㌶。
他に「名義が日本人でも背後に中国資本という例がある」(公安関係者)。
目的が分からないことによる不安を指摘する声もある。
土地取引に詳しい姫路大学の平野秀樹特任教校は「無秩序な囲い込みを防ぐには一層の規制強化が不可欠」と話す。

 


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