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文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

学術的にも「火砕流は豊後水道を渡らない」が定説だし、過去に関サバが溶岩流で蒸されたという話も聞かない。

2018年04月02日 19時09分03秒 | 日記

以下は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである高山正之が月刊誌正論の巻頭を飾る連載コラム「折節の記」からである。

今月号の彼の論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである事を見事に証明している。

彼の連載コラムを読むだけのために毎月840円を払って定期購読する値打ちはある。

文中強調は私。

広島高裁の裁判官、野々上友之は伊方原発差し止め請求の即時抗告審で「もし阿蘇が噴火したら火砕流が伊方に届く」からと運転差し止めを命じた。 

阿蘇の大噴火は9万年前にあった。

それで山が吹っ飛んだ。

もう吹っ飛ぶ山はない。

学術的にも「火砕流は豊後水道を渡らない」が定説だし、過去に関サバが溶岩流で蒸されたという話も聞かない。 

野々上の愚かさに世間は鼻白んだものだが、この類の常識に欠けた裁判官がやたら目立たないか。 

91歳のボケ老人が線路に入り込んで列車にはねられて死んだ事件があった。

名古屋地裁は85歳の体の不自由な妻に「お前に監督責任がある。迷惑をかけたJRに720万円を払え」と命じた。 

同じ名古屋地裁がもう少し前に96歳の母が知恵遅れの息子(63歳)の行く末を案じて無理心中を図ったが死にきれなかったという事件を扱っている。 

判決は「息子殺しは許せない」「百歳の誕生日は獄中で迎えろ」と懲役3年の実刑に処した。 

俺たちは難しい司法試験をパスしたエリートだ。

お前らぼんくらに施してやる慈悲など持ち合わせちゃあいないんだといっている。 

ではすべて厳罰かというと極悪人は別らしい。

この3月、さいたま地裁判事の松原里美がびっくりするような温情判決を下した。 

事件は4年前、千葉大生の寺内櫓影が当時中学1年生の少女(13歳)を誘拐、東京・中野のマンションなどに2年間も監禁した。 

寺内は少女に「両親に捨てられた」「親はお前を捜しもしない」と偽りを吹き込み、絶望させた。 

少女は最後の抵抗で脱出して救出されたが、心の傷は深く、いつ全治するか分からない心的外傷(PTSD)を負う。 

普通に学校に通い、友達と遊び、進学し、いつかは素敵な恋をして結婚もしたい。

そういうごく当たり前の生活も送れそうもない。 

検察はそうした事情を踏まえ狡猾で身勝手な被告に懲役15年を求刑した。

一人の女性の一生を滅茶苦茶にしたことを考えればもっと重くてもいいと普通は思う。 

しかし松原裁判長は求刑を半分もカットし懲役9年を言い渡した。被告の名がオイチョカブのカブ。

それで9年という駄洒落のつもりか。

仰天の温情判決だ。

なぜ軽くしたかの理由が凄い。

誘拐して1か月後、13歳の少女は逃げ出し、見知らぬ街で見知らぬ人に助けを求めた話を挙げている。 

このときは相手にされず、仕方なくまた監禁場所に戻った。

それを女裁判官は大きなポイントにした。

「被告が関与しない事情があった」として被告の「懲役15年は重過ぎる」と理由づける。 

2年の長きにわたる監禁になったのは少女にも責任の一端がある、逃げ出せるのに舞い戻ったじゃないか、と言っている。 

何を言うか。

例えば13歳以下の少女が合意の上でセックスしても、強姦罪は成立する。

13歳以下の子供に法は大人並みの判断と責任まで要求していない。 13歳どころか17歳でも法の保護はある。

17歳少女を連れ回して酒を飲んだ俳優小出恵介は少女が17歳というだけで大阪府青少年育成条例によって立件された。 

1千万円の示談金を受け取った相手の少女は子持ちのシングルマザーだ。

喫煙もし、酒も飲む。小出よりずっと大人なのにそれでも法的には少女として保護され、小出は不起訴にはなったものの、社会的にも罰せられた。 

そこまで保護される「少女」。

まして年端のいかない13歳の子が突然、親から引き離され監禁された。

そんな13歳にこの裁判官は大人の分別を示さなかったからと、量刑にまで反映させた。 

裁判官世界には馬鹿でも通用するよう、判決は「求刑の八掛け」という法則がある。

2割減刑して人情味を見せ、「罪と向き合って更生を」と締めるのが定形だ。 

ところがこの裁判官は無能なくせに法則を乗り越え、八掛けどころかほとんど5掛けにした。 

関係者は控訴するがいい。

きっと樺風は無期になる。

この稿続く。


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