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文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

中国共産党のエリートたちは、まさにより強くそのように理解しているはずだと氏は感想を語っているが、恐らく正しいのであろう。

2018年08月31日 23時16分06秒 | 日記

以下は前章の続きである。

中国当局の色メガネ

毛沢東の死で文革が終わり郵小平の時代になると、公開処刑は一旦中止された。

だが矢板氏はそれが習政権下で復活していると指摘する。

現在の中国のおぞましさである。 

矢板氏は幼い頃から国際政治に興味があったという。

1979年のイランの米大使館人質事件、その翌年のイラン・イラク戦争、80年のジョン・レノン射殺事件などを、氏は中国で見ている。

中国当局の色メガネを通しているため、中国共産党と同じ見方になる。 

それは「どんどん中国が強大化する一方で、米国が駄目になっていく」という感覚だったという。

少年だった矢板氏にそう感じさせたニュースの送り手、中国共産党のエリートたちは、まさにより強くそのように理解しているはずだと氏は感想を語っているが、恐らく正しいのであろう。

日本に引き揚げた矢板氏は中国で抱いていた見方を修正できた。

しかし習主席を含む共産党幹部はずっとそのままなのではないか。その「自信」が米国との軋轢の背景にあるのではないか。

オバマ前大統領が5年前に、米国はもはや世界の警察ではないと宣言したときから、中国の侵略行為は顕著になった。

南シナ海の環礁を奪い、軍事拠点化した。

フィリピンの訴えを仲裁裁判所が全面的に支持し、中国の領有権を否定したとき、判決を「紙クズ」だと斬り捨てた。

トランプ大統領の「アメリカ第一」を逆手にとり、中国こそが「民主主義」「自由貿易」「環境重視」の旗手だと宣言し、米国に取って代わる姿勢を強調した。

昨年秋の共産党大会では、世界に君臨するのは中国だと事実上宣言した。

それが現在進行中の米国との貿易摩擦につながっているのではないか。        

米中の貿易戦争をきっかけに、8月の北戴河会議では習氏の対外強硬路線への批判が起きた。

これ以上の摩擦回避のために習氏は米国に対し、したたかな妥協策を繰り出すのか。

展望は読みにくいが、中国共産党幹部の中に、米国は衰退する、中国は強大化する、時間は中国に有利に働くとの確信があるであろうことは肝に銘じておかなければならない。

この種の誤解ほど危険なものはない。

中国経済が確実に悪化し、一帯一路に代表される大戦略もほころび始めた中で、習氏にとって経済回復の手立ては全く見えていない。 

経済回復が不可能なら、民族主義が次なる求心力にならざるを得ない。

それは自ずと対外拡張路線につながる。

石氏は、習氏が「国内矛盾を克服するためにも、戦争を仕掛ける可能性がある」と指摘し、矢板氏は、台湾がターゲットだと断言する。

台湾奪取のシナリオのために、習氏は、専門家をロシアに派遣し、2014年にロシアが如何にしてクリミア半島を奪ったか、詳細に研究中だと明かす。

この稿続く。


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