以下は前章の続きである。
暫く身を置いた学者世界には「メディア・リテラシー」という言葉がある。
リテラシーとは識字能力を意味する。
新聞やテレビが流す報道。
それが信ずるに値するものかどうかを見抜く力とでも訳すか。
本書は日頃の新聞やテレビの報道のどこに落とし穴があるか、どの部分が未検証なのかを探った『Voice』に連載の「メディア閻魔帳」をベースに、日本のジャーナリズムの先天的欠陥について書いた何本かの評論も付け加えた。
ニュース報道に偽物が混ざっていることを知り、その意図を理解する一助になれば幸甚に尽きる。
高山正之