文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

日本のマスコミがモノトーン、モノカラーに塗り上げられるのはどうしてなのか、という疑問が外人から寄せられることがあるが、

2019年06月27日 16時22分43秒 | 全般

また記事の無責任さを強化するものとして、記者クラブ制度が機能している。
政界、財界、官界の中枢部には記者クラブが設けられていて、そこに各紙記者が寄り集う。
また各界は、自分たちのことをよく報道してもらいたいと考えてのことだろう、様々な便宜を記者クラブに与えている。 
記者クラブでは、お互いが特ダネというかたちで他人を出し抜かないでおこうという談合が行われている。
さらに所与のタネをどういう水準およびどういう方向で扱うかということについてのゆるい談合も行われる。 
たとえば、佐藤栄作元首相が退陣発表をするとき、「テレビは実況であるから信頼できるが、新聞記者は退場してくれ」といったことがある。
その文句の正当性はともかく、ある記者が「じやあ退場しよう」と叫ぶやいなや、他社のすべての記者がそれに従ってその会見を退いた。 
どうして、一人でもいいから記者が立ち上がり、佐藤栄作氏の発言にたいして堂々と抗議し、新聞記者を排除することの不当性について訴え、佐藤氏の退陣の姿を記事にすべく努力をしなかったのだろう。 彼らは、取材対象にたいする関心よりも、記者クラブの統制に服することを選んだのだと批判されても致し方あるまい。
この一致団結の振舞いはおそらく記者クラブにおける長年の談合の成果なのであろう。 
日本のマスコミがモノトーン、モノカラーに塗り上げられるのはどうしてなのか、という疑問が外人から寄せられることがあるが、それは、記者クラブにおける情報の相互交換そして情報の相互規制のおかげなのだと思われる。


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