Sun Set Blog

日々と読書と思うコト。

始発のバスから終電の地下鉄まで

2007年07月30日 | Days

 3往復目。1泊2日で岡山→姫路(宿泊)→神戸。
 朝5時に起きて、最寄のバス停で始発のバスに乗り込む。土曜日の始発は6時少し過ぎ。平日なら5時50分台が最も早いのだけれど、週末は少しだけゆっくりになる。それから地下鉄に乗り、新横浜駅へ。もう何度ものぞみにのっているというのに、やたらとポスターなどでPRしているN700系という新車両には出会ったことがない。調べて合わせればいいのだけれど、優先順位が時間のため車両に合わせていられない。

 土曜日は上司と合流し一緒に店舗を回る。古参の社員で西日本を統括している人。夜は飲みにも連れて行ってもらったのだけれど、様々な話を聞くことができて、とても面白かった。
 日曜日は上司と別れ一人で神戸へ。JRに乗っていると、日曜日の7時台の時間なのに結構な人がいて、やっぱりいろいろな生活があるよなと改めて思う。おそろいのジャージを着ているおそらくは部活動の中学生たち、仕事に行く感じの中年男性。遊びに行くのだろう若い女の子たち。そんな午前中の電車の中で、ちょっと浮いてしまうようなキャリーバックをガラガラと音を立てさせながら、移動を続けていた。
 8時過ぎに店に到着し、19時半頃まで仕事。つい熱が入ってコミュニケーションをしていたら、当初出発するはずだった時間を過ぎていた。慌ててタクシーを呼ぶ。
 店の外に出ると外は突然の雷と夕立だった。天気予報では雨だなんて表示されていなかったのにと思う。生ぬるい湿度の高い空気、あずき色によどんだ厚い雲が夜闇にゆっくりと染まっていく。

 根を詰めて仕事をしていたせいか(?)、実は昼食をとるのを忘れていた。それでものすごくおなかが空いていて、地下鉄で新神戸駅に向かうときにも、何を食べようとそればかり考えていた。そして神戸牛弁当みたいのがあったなと思い、それを食べよう! と決意する。そして実際駅に到着すると、お弁当屋は20時までで、当たり前のように閉まっていた。駅に着いたときには20時を15分ほど過ぎていたのだ。キオスクのようなところにコンビニ弁当のようなものも売っていたのだけれど、目当ての駅弁はなかった。それで結局コーヒーとドーナツを購入してそれを食べる(また、持ってきていた本を読み終えそうだったので、文庫版の『High and dry(はつ恋)』(よしもとばなな、文春文庫)を購入する。20時過ぎのキオスクの雑誌コーナーはほとんどが売り切れていて、それなら久しぶりによしもとばななを読もうと思ったのだ)。

 新幹線の中で、『なんとかしてよ店長さん!』高橋晋著。かんき出版を読み終える。たぶん三度目くらいの読了。よく大型スーパーなんかにあるお客様の「ご意見承りカード」をイオンで最も熱心にやっていた店長が書いた本。ユーモアに溢れていて読みやすく、それでいて内容は様々な示唆に溢れているので折につれ手にとってしまう本だ。今回も改めて復習しようという感じで手にとって、やっぱりあっという間に読むことができてしまった。これだけ真摯にお客様の声に耳を傾けることは、なかなかできないことだと素直にすごいと思う。読むたびにそう思っているような気がするけれど。

 新横浜駅に到着したのは23時少し過ぎ。それから再び地下鉄に揺られ最寄の駅へ。地下鉄はちょうど最終のやつで、あの時間に神戸を出たらこちらではぎりぎり最終になるのか! とひとつ学習をする。地下鉄なんていくらでもあるようなイメージでいたけれど、意外と気をつけないととんでもない距離をタクシーに乗る羽目になるのかもしれない(まあ、JRで迂回していけばいいのだけれど)。
 最終の地下鉄の車内は、酔っ払った感じの人が多かった。お酒のせいなのか大きな声で話している人たちもいて、iPodで音楽を聴きながらその声を遠ざける。『はつ恋』を読んでいたのだけれど、これは数ページに一度かわいらしい挿絵が入っていて、なんだかページを手繰るのに照れてしまう。30を超えている男が、この挿絵か……と思ってしまったり。まだ半分くらいしか読んでいないけれど、よしもとばななはこういう感じだったなと懐かしく思う。夏休み明けに、久しぶりにクラスメイトと再会したような感じに似ているのかもしれない。いろいろあったけれど、言葉を交わしたらすぐに独特のリズムに戻ることができるような。

 最寄の駅に着いて、バスターミナルに向かう。いつもそこからバスに乗るのだ。
 時計を見ると0時を回っている。それから時刻表を見るとすでに深夜バスの時刻になっていて、料金が一気に倍だものなと思いつつそこでしばらく待っていた。でも僕の他には誰もいなくて、いつもはもっとたくさん人がいるのにとなんとなく思いながら、それでもたぶん前のバスが出たばかりなのだと思ってしばらく『はつ恋』を読んでいた。

 そして、「あれ?」と思い直してもう一度時刻表を見てみて、今日が日曜日だったことにようやく気がついた。「ああ!」となんだか一人で得心が言って、照れてしまった。週末はバスの最終便の時間が早くなるのだ。つまり、誰もいないのは当然のことで、今日の最終便はとっくの昔に出発してしまっていたのだ。
 道理で誰もこないわけだ。そう思いつつ今度はタクシー乗り場に向かう。タクシーに乗り込むや否や、その話を笑い話にして話す。運転手は「ああ、日曜は早いんだよねえ」と言う。「ずっと待っちゃいましたよ」と僕は言う。
 雨が降り始め、運転手はワイパーを動かしはじめる。窓の外から景色を見つめながら、昨日の始発から、今日の最終までかとぼんやりと思う。東京でのスケジュール(たとえば明日も5時起きだ)の関係で1泊2日で往復を繰り返しているけれど、本当は向こうに3泊以上はしてきたいのだ。なんだか、横浜と神戸の間を反復横とびでもしているみたいだと思う。そう考えるとちょっとだけ楽しいけれど、ハードと言えばそれなりにハードな気がする。
 でもまあ、まずは明日からの新しい一週間をまた頑張っていこう。


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 お知らせ

 部屋に帰ったら日付が変わっていました。やれやれ。

コメント
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