ひぐらし:皆殺し編団結イベントの伏線と圭一の役割の描き方

2006-08-23 00:08:27 | ひぐらし
改めて皆編をやり直していると、序盤で雛身沢における圭一の立場が改めて説明され、それが「団結イベント」の伏線になっているのがわかる。ここで伏線の内容を掲載しておくが、個人的には「この程度の伏線で古参のプレイヤーをも納得させようとは、片腹痛いし苦々しい」と思っている。では、本文をどうぞ。


~祭りの実行委員の話より~
「前原くんは、先生が思っているよりもずっと村中で評判なんですね。」(知恵)

「興宮界隈でも有名です。先日の雛身沢ファイターズと興宮タイタンズでの試合の、あの助っ人ぶりはもはや現地では伝説的ですからね。」(詩音)

「しかしよ、よく俺みたいな若造を推薦して町会の人が納得してくれたよな。」(圭一)

「まー、基本的には頭の固い年寄り連中ばっかりですけどね。時代も徐々に変わり始めてますしね」(詩音)

「雛身沢もダム戦争に勝利して、これからは新しい時代を築き、どんどん栄えさせていかなくちゃならない。だから若者歓迎、余所者飛び入り大歓迎って風にどんどん意識改革をしていかなくちゃならないんだよ。」(魅音)

「…圭一は若くて余所者で、しかもウケがいいのでまさにピッタリなのですよ。」(梨花)


などと出てくる。今になって思えば、これは団結イベントの成功に必然性を与えるための会話だったのだろう(※)。しかし、祭りと団結を同レベルで扱うのはちょっと無理と言うものだ。すでに鬼編から、理由はわからないが圭一が村で有名だという記述がちらほら出てきており、その意味では古くから言われていることではある。にもかかわらず説得力を感じないのは、その理由付けが曖昧なままになっていたからだろう。確かに鬼編TIPSで「前原屋敷」なんてのはあるが、あれでは単に「金持ちのよそ者が来た」程度の印象しか受けない。物語において当初から重要な点だったのかもしれないが、明確なカタチでは提示されなかったのは残念である。今となっては圭一に「閉鎖空間を破る新参者」というような役割が与えられていたことは疑いないが、そのコンセプトがぼやけたまま、ただ事件を前に右往左往するだけの圭一を見せ、いきなり罪編で特別な存在であるかのように描いたのは失敗だったと言える。


※皆編は、方向性に関する暗示のようなものがちょこちょこ出てくる。例えば、梨花が興宮での部活に参加したときに魅音のイカサマの意図を探ろうとする際の発言(別途書く予定)はひぐらしの推理に対する考え方を示していると思われる、という具合に。ただ、はっきり言えば出すのが遅いだけでなく説得力なくて微妙だと感じる。結局このへんは解答編の構成のミスなんだろう。つまり、単純な解答と説明を要する新事実の発覚、新たな要素の提示という中で、根幹をなしている「方向性」という最も肝心な部分の説明をおろそかにしてしまったのだと考えられる。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ひぐらし:祟殺し編の圭一の... | トップ | ひぐらし:北条家殺害の理由... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ひぐらし」カテゴリの最新記事