高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

オオミズアオの顔

2009年04月12日 09時45分02秒 | Weblog
オオミズアオが3♂やってきた。
例年は5月になって合うことが多いが今年は早めの発生のようだ。

ヤママユガ科ではいつもエゾヨツメが春最初の出会いとなるのだが、
今年はオオミズアオになってしまった。
この地ではエゾヨツメはいないのか未だに見たことがない。

今の季節のオオミズアオはどれも羽化したばかりで新鮮で美しい個体が多い。

はねを広げると10cm以上とたいへん大きく、沖縄を除く全国に分布している。
幼虫はバラ科、ブナ科、カバノキ科など多くの樹木を食べる。
四国では低山地から1000m以上の中央山地まで山間部ではどこでも見られる普通種である。

(撮影:日高村 2009.4.11)






セスジナミシャク

2009年04月11日 08時42分43秒 | Weblog
セスジナミシャクは黄色い複雑な網目状の模様がある。
このような色模様のナミシャクは他にいろいろいるが、
それらの中でやや小さいこと。
何よりも背中にはっきりと黄色い筋が走っていることで簡単に区別できる。

四国の山間部ではどこにでもいて多くはないがごく普通種で、真冬を除きほぼ1年中見られる。

本州、四国、九州、対馬、屋久島に分布している。
幼虫はアケビ、ミツバアケビを食べる。

(撮影:高知市 2009.4.3)


ソトシロオビエダシャク

2009年04月10日 09時10分51秒 | Weblog
ソトシロオビエダシャクは低山地で時々出会う。

名前はソトシロオビ(外白帯)となっているが印象としては黄色っぽい細い帯がある程度で今ひとつ実物とつながりにくい。
金色に輝く帯もあり豪華に見える。

北海道、本州、四国、九州に分布する。
図鑑では普通種となっているが、高知県でやや少ないのは食草のマユミやコマユミが野外であまり見られないからかもしれない。

(撮影:高知市 2009.4.3)

フタスジクリイロハマキ

2009年04月09日 06時59分33秒 | Weblog
フタスジクリイロハマキは小さく薄い色合いで何だか弱々しいが、それなりに可愛く心癒される感じがある。

斑紋の変異はなく前翅に2本の細い筋がある。
外観のよく似た種は他にないので、ハマキガの同定が苦手な私でも一度覚えると簡単にすぐこれだとわかる。

四国では低山地で春から晩秋にかけてよく見かける普通種だが多くない。
屋久島以西を除くほぼ全国に分布している。

幼虫はスノキ、ネジキ、ソヨゴ、アラカシ、ツツジ類などかなり他種の樹木を食べるところはたくましい。

(撮影:高知市 2009.3.12)


ヒメクビグロクチバ

2009年04月08日 08時40分24秒 | Weblog
今年の春も飛来したヒメクビグロクチバ

クビグロクチバの仲間では一番個体数が多い普通種である。
四国の山間部では3月下旬から10月下旬にかけて各地で見かける。
成虫で越冬するので真冬でも見つかるかもしれない。

この仲間は頭頂から首(頸板)にあたる付近が黒いことでクビグロ(首黒)と名前がついていて、よく目立つのですぐにこの仲間と分かる。

クビグロの仲間は外観がよく似たものが多くて慣れないと同定に困りそうだが、四国ではクビグロクチバ、アサマクビグロクチバ、ヒメクビグロクチバの3種だけで、その中で小型の種はヒメクビグロだけなので同定に迷うことはない。

沖縄を除いて全国に分布している。
幼虫はヤビマメ、ハギ類を食べる。

(撮影:高知市 2009.4.3)




クロフシロエダシャク

2009年04月07日 09時39分52秒 | Weblog
白地に大小の黒紋が散らばるクロフシロエダシャク

四国では低山地から中央の標高の高い山地まで広範囲で度々出会う普通種である。
似たような斑紋をもつクロフオオシロエダシャクもごく普通種だが、それと比べると少ない。

このような紋をもつエダシャクの仲間の黒紋は左右対象に見えるが、よく見比べると所々少し違っていることが多く興味深い。

本州、四国、九州、対馬、屋久島、奄美大島、トカラ列島に分布する。

(撮影:高知市 2009.4.3)

オオアオシャチホコ

2009年04月06日 09時28分21秒 | Weblog
やっと暖かさが戻ってきたがライトトラップするには月齢が悪くなかなか思うようにいかないものだ。

さて、今年5番目に出会ったシャチホコガはオオアオシャチホコになった。

前翅基部にミドリシジミのような美しい金属様緑色鱗粉があるが、この類にはナチアオシャチホコやアオシャチホコが混在していて紛らわしい。
その中でも低山地で見られるのはこのオオアオシャチホコがやや多いようだ。

本州、四国、九州、対馬、屋久島、トカラ列島に分布する。
伊豆諸島に産するものは別亜種になる。

幼虫はエゴノキ、ハクウンボクを食べる。

(撮影:高知市 2009.4.3)




クロスジシャチホコ

2009年04月05日 09時03分08秒 | Weblog
今年4番目に出会ったシャチホコガはクロスジシャチホコ

前翅にある黒い筋模様は特徴があり覚えやすく他の種と見間違うことはまずないだろう。
四国では春から秋にかけて長期間、標高1000m以上の中央山地から低山地の広範囲にかけて見られるがやや少ない。

北海道、本州、四国、九州、対馬に分布する。
幼虫はカバノキ科のイヌシデ、アカシデ、クマシデ、ツノハシバミ、アサダ、サワシバ、ヤシャブシ、ヒメヤシャブシ、オオバヤシャブシなどを食べる。

(撮影:高知市 2009.4.3)

オオシモフリスズメ

2009年04月04日 09時35分48秒 | Weblog
今年の春もオオシモフリスズメが飛来した。

大きさ、はねの形、色合い、どれをとってもスズメガの中では一級品で迫力満点の感がある。
これは前翅長が57mm、開張は123mmもの大きさを誇っている。

3月下旬から4月上旬にかけて発生する春を代表する蛾である。
高知県では人里に近い低山地で時折見られ個体数は少ない。
夜9時を過ぎたやや遅めの時間帯に飛来することが多いようだ。
幼虫はウメ、アンズ、モモ、スモモ、サクラなどを食べる。
本州、四国、九州、対馬に分布する。

例年は見つけても採集することはしないが、手元の標本はどれも古びていたので、今回は特別に持ち帰ることとした。

(撮影:高知市 2009.4.3)