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東京シティ・フィルの定期演奏会 第225回

2009年02月08日 | Music
去る1月21日に、東京シティ・フィルハーモニックの定期演奏会へ行ってきました。今回はティアラ江東ではなく、新宿の東京オペラシティが会場。前回のティアラも大ホールという名称ですが、実際は中ホール仕様。今回のオペラシティは正に大ホールそのもので響きが全く違います。大袈裟に言えばティアラは響きが少なくデッド気味なのですが、オペラシティはアンビエンスがタップリという仕様でした。それにしてもこのホールは、バブリーな作りではあるのはご存じの通りですね。今回のオーケストラ配置ですが、ティアラで聴いた時の様な古典的な弦楽5部配置ではなく(いわゆる左右にバイオリン。左中央にベースがあるような配置)、今回のオペラシティでは、いわゆる一般的な弦楽5部配置で、視覚的にも音的にもヴィオラの音がしっかり聴けるのがいい感じです。その分、バイオリン群が左右に分かれていないので、第一バイオリンと第二バイオリンの差分けが楽しめないのが難点なのかもしれません。
さて、3部構成のコンサート。いずれも近代の作曲家にフォーカスを当てているとのことですが、正直2曲目の作曲者についてはまるで知りません。第1曲目は、ウィリアム・ウォルトンのバレエ組曲「賢い乙女たち」。バッハ作品のアレンジメンツという仕様の曲です。しかしどうなんでしょう? 僕にはバッハのオリジナルの方がよっぽど楽しめると思うのですが。それにしてもこのアレンジでバレエを踊るというのもなかなかですね。まぁ、こればかりは実際のバレエを見てみるまで分からないでしょうけれど。また2曲目のカール・ヘルマン・ピルナイの「ドイツ流行歌の愉快な遊び」という曲は、いわゆるイントロ・曲当てクイズみたいな趣向です。つまりバッハ風だったり、シューベルト風だったりというように有名どころの作曲家たちのメロディー&アレンジのパクリ(!?)を楽しむという趣向。ピルナイは作曲家というより、アレンジャーということなのでしょうけれど、11ある変奏のどれもが誰風なのか良く分かりませんでした(爆)。ジャズで言えば「カウント・ベイシーがエリントン曲集を演奏している盤を聴いている」見たいな感じで、「巧いけど、なんか変」というところでしょうか。物凄く違和感がありました。
ここまでの2曲は、前座。真打ちは終曲のセルゲイ・プロコフィエフの「交響曲第7番 青春」でした。弦楽も管も1曲目2曲目でウォーミングアップが終わったのでしょう。素晴らしい音が出ていました。アンサンブル良し、演奏良しの大名演。こりゃワールド・クラスです。今回の指揮者である児玉宏も熱演でした。それにしてもなかなかの名曲ですね、これは。素晴らしいメロディーラインの宝庫です。時々スニークインしてくる不協和音はご愛敬でしょう。

この第7番を聴いて、ゲルギエフのプロコフィエフの交響曲全集を先日購入。うーん、プロコフィエフってのは実にメロディストなんですね。素晴らしいメロディーのてんこ盛り。この盤はLSO Liveのスタッフが製作しているので、音の感じはいいのですが、どうもフィリップスによる製盤(最終マスタリングですね)がイマイチのような感じです。まぁ、もちろん中の上クラスの音質ですから、安心して聴くことが出来ますけれど。お勧めの1枚です。


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