
ノー・アザー・ランド 故郷は他にない
監督 バーセル・アドラー、ハムダーン・バラール、ユヴァル・アブラハーム、ラヘル・ショール
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鑑賞からだいぶ経ってしまったが、きちんと感想は書いておこう。
おそらく今年の年末に私の2025年映画ベスト1になるであろう作品。
しかし、これがベストになってしまうというほどにワーストな世界
アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞したドキュメンタリー映画で、イスラエル人の監督とパレスチナ人の監督が共同監督として作り上げている。イスラエルから土地を奪われるパレスチナ人家族の姿を記録した作品。
パレスチナの地で家族代々住んできた土地をイスラエル軍がそこは軍用地だからと退去をせまる、断れば重機で家も学校も強制排除。
訴えてもイスラエルの裁判所も政府や軍の味方。
付近の土地に入植してきたイスラエルの民間人たちは、土地から離れようとしない先住のパレスチナ人に暴力を振るう。殴る蹴るのレベルではない。撃ったりする。劇中では入植者の暴力で2人が亡くなる。
そんな入植者の暴力行為(いや殺人行為か)を、監視しているイスラエル軍は止めもしない。
規模に違いはあれど、クリスタルナハトと同じではないか
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wikipediaより
クリスタルナハトの説明抜粋
シナゴーグやユダヤ人住宅・企業の他、ユダヤ人居住地域の墓地、病院、学校、家などが破壊された。ベルリンでは12あったシナゴーグのうち、9つまでが焼き払われた。略奪も多数発生し、保安警察長官ラインハルト・ハイドリヒはヘルマン・ゲーリングに800件の略奪を報告している。
ハイドリヒや保安警察第4局(ゲシュタポ)局長ハインリヒ・ミュラーの電報での「邪魔をしないように」との命令に基づき、警察は暴動を全く取り締まらなかった。さらに消防隊も炎上するシナゴーグを見ているだけであり、消火活動をするのは非ユダヤ人の建物に延焼する恐れがある時だけだった。その最中でも、警察は多数の自殺や強姦を記録していた。
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これはイスラエル人監督とパレスチナ人監督の友情の話だ、という紹介も見るけど、その一面はあるけど、やはりそこを強調する映画ではない。
2人の友情が希望だ
というほめ言葉もどこかで読んだが、パレスチナの人たちに必要なのは希望よりも方法や行動だろう
希望と言ってのけてしまうと対岸の火事のようだ。
だからといって私にも何ができるということはない。
この映画を観た後も、イスラエルのメーカーのソーダストリームで作った炭酸水でハイボールを作って飲んでいるし、スーパーで買ったレモン酎ハイの原材料にはイスラエル産のレモンの記載がある。
でもせめてこの映画を広める事が少しでも事態の解決になることを願って…
だが、この映画はガザのハマスによるロケット攻撃の前に作られ、その後のイスラエルによるガザ侵攻
映画によってパレスチナの状況がよくなるよりはるかに早いスピードで事態はどんどん悪くなっている
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映画の中でイスラエル人の監督をパレスチナ人入植者イスラエル人入植者の1人がスマホで撮影し、こんなようなことを言う
ぐへへへ、この写真をSNSで晒してやる、ぐへへへ、お前は炎上して終わりだ、ぐへへへ
(うろ覚えかつ意訳)
なんか北斗の拳に出てくるやたらデカくてモヒカンでトゲトゲのついた服着てるザコ敵みたいだ。
しかし、そう言っていた入植者の姿は映画で全世界に晒され、しかもその映画はアカデミー賞まで取ってしまった。
完璧すぎる逆襲100倍返し
今頃その入植者は「ザコ活動家だと思ってウザがらんでやったら世界最強レベルのドキュメンタリー作家でぴえんした件」とか言ってんだろうか?
こんな風にネタにして楽しむ事ではないのはわかっているけど、なんだか滑稽には見える。
いや、おそらく、そんな風には後悔していないのだろう。
彼ら(イスラエル人入植者)にとって、世界的な映画賞で晒されていることなど気にならない
友達が教育って怖いと言っていた。イスラエルではパレスチナの歴史などほとんど教えず、パレスチナ人はテロリストと教えていると聞いた。
外国人からどう見られようと自分たちが正しいと信じている。
侵略して土地をぶんどり、元々住んでいた人間を補償もなしで追い出し、従わなきゃ殺す事が正義だと信じてしまっている。
本当に映画は世の中を変える力があるのだろうか
ぶっちゃけないのでは
あったとしてもあまりに弱い
映画を信じてきた自分にそんな絶望感を突きつける
でも、映画に記録し続ける監督たちは本当に勇気があって、尊敬に値する
それにしてもイスラエル人監督のユヴァル・アブラハームも、他のイスラエル人と同じ教育を受けただろうに、どうしてまともな感覚を持ち得たのだろう
希望は彼にこそある
監督 バーセル・アドラー、ハムダーン・バラール、ユヴァル・アブラハーム、ラヘル・ショール
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鑑賞からだいぶ経ってしまったが、きちんと感想は書いておこう。
おそらく今年の年末に私の2025年映画ベスト1になるであろう作品。
しかし、これがベストになってしまうというほどにワーストな世界
アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞したドキュメンタリー映画で、イスラエル人の監督とパレスチナ人の監督が共同監督として作り上げている。イスラエルから土地を奪われるパレスチナ人家族の姿を記録した作品。
パレスチナの地で家族代々住んできた土地をイスラエル軍がそこは軍用地だからと退去をせまる、断れば重機で家も学校も強制排除。
訴えてもイスラエルの裁判所も政府や軍の味方。
付近の土地に入植してきたイスラエルの民間人たちは、土地から離れようとしない先住のパレスチナ人に暴力を振るう。殴る蹴るのレベルではない。撃ったりする。劇中では入植者の暴力で2人が亡くなる。
そんな入植者の暴力行為(いや殺人行為か)を、監視しているイスラエル軍は止めもしない。
規模に違いはあれど、クリスタルナハトと同じではないか
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wikipediaより
クリスタルナハトの説明抜粋
シナゴーグやユダヤ人住宅・企業の他、ユダヤ人居住地域の墓地、病院、学校、家などが破壊された。ベルリンでは12あったシナゴーグのうち、9つまでが焼き払われた。略奪も多数発生し、保安警察長官ラインハルト・ハイドリヒはヘルマン・ゲーリングに800件の略奪を報告している。
ハイドリヒや保安警察第4局(ゲシュタポ)局長ハインリヒ・ミュラーの電報での「邪魔をしないように」との命令に基づき、警察は暴動を全く取り締まらなかった。さらに消防隊も炎上するシナゴーグを見ているだけであり、消火活動をするのは非ユダヤ人の建物に延焼する恐れがある時だけだった。その最中でも、警察は多数の自殺や強姦を記録していた。
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これはイスラエル人監督とパレスチナ人監督の友情の話だ、という紹介も見るけど、その一面はあるけど、やはりそこを強調する映画ではない。
2人の友情が希望だ
というほめ言葉もどこかで読んだが、パレスチナの人たちに必要なのは希望よりも方法や行動だろう
希望と言ってのけてしまうと対岸の火事のようだ。
だからといって私にも何ができるということはない。
この映画を観た後も、イスラエルのメーカーのソーダストリームで作った炭酸水でハイボールを作って飲んでいるし、スーパーで買ったレモン酎ハイの原材料にはイスラエル産のレモンの記載がある。
でもせめてこの映画を広める事が少しでも事態の解決になることを願って…
だが、この映画はガザのハマスによるロケット攻撃の前に作られ、その後のイスラエルによるガザ侵攻
映画によってパレスチナの状況がよくなるよりはるかに早いスピードで事態はどんどん悪くなっている
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映画の中でイスラエル人の監督を
ぐへへへ、この写真をSNSで晒してやる、ぐへへへ、お前は炎上して終わりだ、ぐへへへ
(うろ覚えかつ意訳)
なんか北斗の拳に出てくるやたらデカくてモヒカンでトゲトゲのついた服着てるザコ敵みたいだ。
しかし、そう言っていた入植者の姿は映画で全世界に晒され、しかもその映画はアカデミー賞まで取ってしまった。
完璧すぎる逆襲100倍返し
今頃その入植者は「ザコ活動家だと思ってウザがらんでやったら世界最強レベルのドキュメンタリー作家でぴえんした件」とか言ってんだろうか?
こんな風にネタにして楽しむ事ではないのはわかっているけど、なんだか滑稽には見える。
いや、おそらく、そんな風には後悔していないのだろう。
彼ら(イスラエル人入植者)にとって、世界的な映画賞で晒されていることなど気にならない
友達が教育って怖いと言っていた。イスラエルではパレスチナの歴史などほとんど教えず、パレスチナ人はテロリストと教えていると聞いた。
外国人からどう見られようと自分たちが正しいと信じている。
侵略して土地をぶんどり、元々住んでいた人間を補償もなしで追い出し、従わなきゃ殺す事が正義だと信じてしまっている。
本当に映画は世の中を変える力があるのだろうか
ぶっちゃけないのでは
あったとしてもあまりに弱い
映画を信じてきた自分にそんな絶望感を突きつける
でも、映画に記録し続ける監督たちは本当に勇気があって、尊敬に値する
それにしてもイスラエル人監督のユヴァル・アブラハームも、他のイスラエル人と同じ教育を受けただろうに、どうしてまともな感覚を持ち得たのだろう
希望は彼にこそある
今年最重要かと思われる作品を取り上げていただきありがとうございます。
一点だけ、
>映画の中でイスラエル人の監督をパレスチナ人入植者の1人がスマホで撮影し、こんなようなことを言う
こちら、「イスラエル人入植者」かと思われます!
コメントありがとうございます
そしてご指摘ありがとうございます
1番大事なところ間違えました。ゼレンスキーとプーチンを言い間違えたバイデンを笑えないです。面目ない