どうだい、俺ってリベラルな映画人だべ!!って感じの自画自賛が聞こえてきそうな、現代アメリカの人種差別を扱った社会派映画。
本業脚本家の監督デビュー作らしい脚本の映画。映像の映画でなく演出の映画でもない。
ストーリーとメッセージを語るのにいっぱいいっぱいで余裕がない。だから切実さは感じられるけど、映画作家としてのユーモアが薄い。
現代アメリカの大都市で人種差別について信念を貫くことがいかに難しいかが描かれる。白人至上主義者が黒人を救ってヒーローになったり、人種差別を憎悪していた男が異人種を射殺したり、マイノリティの支持を集めようとしていた検事補が黒人に襲われたり・・・反差別主義者が偽善と呼ばれるからくりを見せて、それでも根底には人を信じられなくなった多人種都市への嘆きがある。
・・・けれども、このような良心的な主張は、活字情報でも十分に伝えうるものであり、だからこそ脚本の映画だと思うのだ。
だが、中盤の自動車事故現場から黒人女性が救出されるシーンと、ペルシャ人に射殺されそうな父親(黒人)を救うため少女が駆け出していく"透明マント"のシーンの二つは、映画監督・ポール・ハギスの面目躍如たる、渾身の名シーンとなっている。思わず身を乗り出すほどの興奮を味わう
***********
主要人物の中に、黒人のギャングコンビがいる。
この2人の台詞回しとか、喋る内容、性格づけ・・・よく観る(映画で)なぁ・・・こういうのステロタイプって言うんじゃないの??
と、思っていたら、この2人とは別のシーン、黒人のテレビディレクターにスタッフの一人(白人)が、「私が言うのも何だが、彼の喋り方は黒人ぽくないんじゃないか?」という。ステロタイプとかそれを内心でのぞんでいる大衆というものを、脚本家はよく判っているはずだ。
てことは、黒人ギャングコンビのキャラは確信犯であのようなキャラにしたのだろうか。「いわゆる黒人みたいな」奴らに描くことで感情移入を容易にするだけでなく、感情移入している客にふっと「こんなんでいいのか?俺」と思わせようとしたのかもしれない。
もちろんただ単に好きだからああいうキャラにしただけかもしれない。
批判でも賞賛でもなく気になったところでした。
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
本業脚本家の監督デビュー作らしい脚本の映画。映像の映画でなく演出の映画でもない。
ストーリーとメッセージを語るのにいっぱいいっぱいで余裕がない。だから切実さは感じられるけど、映画作家としてのユーモアが薄い。
現代アメリカの大都市で人種差別について信念を貫くことがいかに難しいかが描かれる。白人至上主義者が黒人を救ってヒーローになったり、人種差別を憎悪していた男が異人種を射殺したり、マイノリティの支持を集めようとしていた検事補が黒人に襲われたり・・・反差別主義者が偽善と呼ばれるからくりを見せて、それでも根底には人を信じられなくなった多人種都市への嘆きがある。
・・・けれども、このような良心的な主張は、活字情報でも十分に伝えうるものであり、だからこそ脚本の映画だと思うのだ。
だが、中盤の自動車事故現場から黒人女性が救出されるシーンと、ペルシャ人に射殺されそうな父親(黒人)を救うため少女が駆け出していく"透明マント"のシーンの二つは、映画監督・ポール・ハギスの面目躍如たる、渾身の名シーンとなっている。思わず身を乗り出すほどの興奮を味わう
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主要人物の中に、黒人のギャングコンビがいる。
この2人の台詞回しとか、喋る内容、性格づけ・・・よく観る(映画で)なぁ・・・こういうのステロタイプって言うんじゃないの??
と、思っていたら、この2人とは別のシーン、黒人のテレビディレクターにスタッフの一人(白人)が、「私が言うのも何だが、彼の喋り方は黒人ぽくないんじゃないか?」という。ステロタイプとかそれを内心でのぞんでいる大衆というものを、脚本家はよく判っているはずだ。
てことは、黒人ギャングコンビのキャラは確信犯であのようなキャラにしたのだろうか。「いわゆる黒人みたいな」奴らに描くことで感情移入を容易にするだけでなく、感情移入している客にふっと「こんなんでいいのか?俺」と思わせようとしたのかもしれない。
もちろんただ単に好きだからああいうキャラにしただけかもしれない。
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見せる力はぐーーっと感じました。
てなわけで、TBありがとうございました。