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ALIQOUI film 制作作品公開 『罪と罰と自由』(2012年)

2020-04-05 19:22:39 | ALIQOUI Film制作自主映画の紹介
もうコンペに出すこともない旧作を非公開で眠らせておいても何の役にも立たないので、外出自粛の時節柄もあり、公開することにしました。
週一くらいで旧作公開していきます
第一弾は『罪と罰と自由』2012年作品 23分



日本芸術センター映像グランプリ グランプリ受賞作
ダマー映画祭inヒロシマ入選
富山短編映画祭、いわき冒険映画祭 他入選

監督・撮影・編集 齋藤新
脚本 齋藤新・齋藤さやか
音楽 西澤雅人
スチール ヨシダトモユキ
ラインプロデューサー 太田貴志子
チーフアシスタント 横山恵

出演
     百瀬学
きむらまさみ

仲村温子
窪田あゆみ
西澤雅人
石井陽祐
武井あずさ
and 廣田謙一 as THE DIRECTOR

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2011年に廣田さん演出のユニット芝居に出演。その演目の出演者たちをほぼそのまま使って撮影しました。
 
 
これの前作が私なりのヒッチコック敬意を見せた無言映画で、「芝居はさせないモンタージュで語る」をテーマにしていたのですが、その反動でめちゃくちゃに芝居させる映画を撮りたくなったのです。
主人公の脚本家は私の分身の要素もあり、脚本を全然書かないくせに口だけは達者なやつを、誰かに罵倒し叱り倒してほしかった。これは私を叱ってほしいという思いから生まれた映画です。
で、その断罪人をぜひ、きむらまさみに演じてほしかったのです。彼女ならいい感じで、腹が立ち、プライドを傷つけ、ぐうの音も出ないほど叱りつけてくれると思ってましたし、実際それ以上にきつく罰しながらも、最後は泣かせてくれました。
 
 
この映画はきむらまさみとガチでやりたくて撮ったという面も実はとても強いです。これより前に別の人の映画を2シーンだけ演出し、というか丸投げされた時に、担当シーンのメインキャストがきむらまさみでした。6ぐらい言えば10までわかって12を返してくる女優でした。
『罪と罰と自由』で彼女とがっちり向き合えたことで、映画監督としても成長させていただいたように思います。
もちろん彼女以外のキャストもみんな素晴らしかった。
 
 
本作で初めて長野県外の映画コンペで賞をもらいました。
日本芸術センター映像グランプリでグランプリ賞を受賞。その時の講評では「タイトルから感じさせるドストエフスキーの影響はむしろそれほどは強くなく、むしろセルバンテスの『ドン・キホーテ』や、フェリーニの『8・1/2』の影響を強く感じる」とのことでした。
すいません。これ撮ったころは『ドン・キホーテ』読んだことなかったし『8・1/2』は5回観て5回寝た映画でした。それどころか実は『罪と罰』すら前後編の前編の途中で挫折した本で、ウディ・アレンの『マッチ・ポイント』の主人公のようにダイジェスト版読んで知った風な口きいてたのです。
それでもなんでも妻や友達やきむらまさみの見ている前でグランプリと発表され表彰されるところを見てもらえたのは、この映画を作って一番幸福な瞬間でした。
 
 
ダマー映画祭inヒロシマで主催の部谷京子さんからすごく良かったとお言葉いただきました。審査員の廣木隆一監督からは「力あるんだから今度は高校生とか使って映画撮りなよ」とご提案いただきましたが、今も大人と撮り続けています。
 
 
富山短編映画祭では当時主催の一人だった赤座さんがラジオ番組の映画祭告知の中で、特におススメの映画として本作を紹介してくれました。
 
 
ダマーと富山で知り合った映画作家の方とは今も交流があり、一緒に映画制作したりといった活動につながっていきました。
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