自主映画制作工房Stud!o Yunfat 改め ALIQOUI film 映評のページ

映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

追悼 トニー・スコット監督 その2 トニー映画のヒロインたち

2012-08-25 23:51:37 | 映画人についての特集
トニー・スコット自殺というあまりにショッキングな報を受け、ついつい「アンストッパブル」と「ラスト・ボーイスカウト」のDVDを注文してしまうくらい混乱してしまった私。
トニーファンとしてトニー追悼の記事をアップしなくては・・・とトニー映画を振り返っていて気がついたことがある。

トニー映画のヒロインはいつも素晴らしい。

ほら思い出してごらん。一般に巨匠扱いされてるトニーの兄のリドリーの映画で魅力的なヒロインって何人いた? テルマとルイーズの他はせいぜい「ブレードランナー」のショーン・ヤングとダリル・ハンナくらいだろう。(おパンツ姿でエイリアンを吹き飛ばしたシガニー様も印象深いけど、彼女が魅力的ヒロインになるのは2以降だからね)

それに比べてトニー映画のヒロインたちの、まあ、魅力的なこと。
トニー・スコットとヒッチコックの共通点は、サスペンスの上手さとヒロインの魅力という二点だ。

トニー追悼ついでに、トニー映画のヒロインをふりかえってみよう

ケリー・マクギリス

ケリー・マクギリスは美しかった。小柄でニヘラっとしてガキっぽいトム・クルーズに対して大人のオンナな魅力が映画にいいコントラストを与えていた。トムよりも自信にあふれて見える「出来るオンナ」。でも恋に積極的でベッドで情熱的で、それでいてワシントンに栄転となると失意のトムをあっさり捨てるドライなオンナ。最高のヒロインだ。

メグ・ライアン

けれど私が「トップガン」で恋してしまったのはケリー・マクギリスではなく、出番はわずかしかなかったのに存在感のあったメグ・ライアンだった。カリフォルニアの田舎娘っぽい感じ。キャハハと楽しそうに笑う彼女に恋した。その後「インナースペース」「プレシディオの男たち」「恋人たちの予感」とスターに駆け上がっていくのが本当にうれしかった。トニーでもう一本今度は主役で・・・という願いははかなく消えた

ブリジット・ニールセン

「ビバリーヒルズ・コップ2」はこれといっていいところのない映画だったけれど、ブリジット・ニールセンはかっこ良かった。背が高くて銃が似合う。1作目に比べてどうもさえないエディのマシンガントークより、ブリジットの拳銃の方ががっちり印象に残ったのさ

マデリーン・ストー

ケビン・コスナー主演の「リベンジ」は、トニー作品ワースト1間違い無しだが、マデリーン・ストーは良かった。このころ私はこの人を絶世の美女だと思っていた。
オープンカーでメキシコかどっかの田舎道を運転しているケビンにまたがって、カーセックスはじめる場面、当時中学の僕はムラムラしまくった。アメリカ人ってすげー、運転しながらあんなことするんだ~と本気で信じたバカな中学生だった。

ニコール・キッドマン

僕が「デイズ・オブ・サンダー」を観たのは21世紀になってからなので、リアルタイムに恋する機会を失った。でもトムがこの映画でニコールにメロメロになったのはわかりすぎるほどわかる。
美人医者のニコール登場の前フリで、ロバート・デュバルたちがトムをかついで、ハイウェイパトロールに扮したセクシー姉ちゃんにトムを誘惑させるくだりがある。それがたまらなく面白くどうしようもなく無駄なシーンに思わせておいて、その後で事故で怪我したトムが美人医者ニコールをまたヘルス嬢だと思い、ニコールの手を取って股間に持ってく卑猥なギャグのなんと面白いこと。下品だぜトニー、でも最高だぜトニー。そのネタ以外はさしていい場面もないニコールだが、その美人すぎる容貌のおかげで立っているだけで気持ちがほぐれる。美女の使い方のうまいトニーであった。

パトリシア・アークエット

「トゥルー・ロマンス」は、チンピラ顔のクリスチャン・スレーターと、キュートなパトリシアのガキ臭いけどほっとけない感じのカップルのおかげで成功した。
彼女が「男たちの挽歌2」のユンファと黒めがねの超至近距離銃撃対決を観て、ケタケタ笑っているのが非常に重要な場面だ。超親近感だった。あの場面を観て笑うヒロインを撮ることで、トニーは香港映画のメンタルを取り込むことに成功したのである

ダコタ・ファニング

「アイ・アム・サム」と「マイ・ボディガード」と「宇宙戦争」でノリにのってたダコタん。2012年の日本における芦田愛菜ちゃん的位置にいた子役女優であった。
デンゼルが年齢差も人種も超えて、執着し復讐の鬼と化すだけの説得力のある反則的にかわいい女の子であった。トニーは子供も大人も関係なくオンナを輝かせるのだ。

キーラ・ナイトレイ

胸をやや強調気味にしたショットだが、乳なし女優界のトップスター、キーラ・ナイトレイ。乳なしのくせにブラッカイマーに気に入られ「パイレーツ」シリーズでレギュラー役になり、乳なしをカバーするためか数々の映画でどんどん脱ぎまくるキーラであったが、トニー演出のドミノは乳がないことを忘れさせるくらいの大活躍。ヌンチャクに投げナイフ、拳銃にショットガンで、師匠役のミッキー・ロークすら忘れさせる熱演力演大暴れ。あまり深いこと考えずに出まくる姿勢のおかげでトニー映画に奇跡を起こした。
そういえば「ドミノ」は、トニー作品で唯一の女性主人公映画。歴史的な一作で堂々とヒロインを演じたキーラがトニーヒロインのベスト1

ポーラ・バットン

トニー映画ヒロインで美人ランキングでいったら一番だろうと思うのが「デジャヴ」のポーラ・パットン。
前半は死体役だが、美しい死体はなんかムラっとさせる。中盤はビデオ映像の中。そして終盤でやっとアクティブに動き出す。
そこでもしっかり犯人に捕まり、惨殺されかけたり、助けられてもまた捕まったりと、ヒーローのピンチの動機付けとして完璧なキャラでありつづけ、ラストのオンナを救う大爆発へとつなげる。ドラえもん風ハードボイルド映画におけるファム・ファタールとして完璧に美しい

ロザリオ・ドーソン

「アンストッパブル」で、鉄道を走らす男たちの体育系な現場とは別の理工系の現場、鉄道運行のコントロールルームを仕切る美人責任者。儲けと損失しか考えない会社の重役と、現場で命をかける運転士の板挟みにあいながら、見事に列車暴走を解決に導いていく。
無事に列車が止まった後で、ヒーローのデンゼル・ワシントンとクリス・パインのところに駆けつけて、「困ったことになったわ。どちらと先にキスをしたらいいの」と言い、すかさずデンゼルが「僕さ」と言うくだりが何度も書いたけど大好きだぜ。

----
数々の美しいオンナたちをありがとうトニー・スコット。

[追記]
意外とトニー映画の後で大成したのメグ・ライアンとニコールくらいで、そのいさぎよい使い捨てっぷりも映画作家としてたくましいトニー・スコットである。

********
ブロガーによる00年代(2000~2009)の映画ベストテン
↑この度、「ブロガーによる00年代(2000~2009)の映画ベストテン」を選出しました。映画好きブロガーを中心とした37名による選出になります。どうぞ00年代の名作・傑作・人気作・問題作の数々を振り返っていってください
この企画が講談社のセオリームックシリーズ「映画のセオリー」という雑誌に掲載されました。2010年12月15日発行。880円


------------
↓面白かったらクリックしてね
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへにほんブログ村

人気blogランキング

自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 追悼 トニー・スコット監督 | トップ | まつもと演劇祭2012 観劇記録 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画人についての特集」カテゴリの最新記事