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ALIQOUI film 制作作品公開 『夢中櫻舞 -dreams of spring-』(2008年)

2020-04-12 00:59:14 | ALIQOUI Film制作自主映画の紹介
コロナで外出自粛が続く最中、少しでもお暇つぶしになればと過去作のweb公開を進めています

第三弾は

『夢中櫻舞 dreams of spring』



2008年作品 8分

クラシックの名曲にのせて、刀が舞い銃弾が飛び交うアクションミュージカル。美しき剣客とクールなヒットマンは殺し合いの中で封印されていた過去を思い出す。その時、邪悪な殺し屋が二人の命を狙って襲いかかる。

監督 齋藤新
原作・脚本 齋藤さやか
出演 新谷聡/さおり/ズバットM


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「ゆめなかおうぶ」と読む。訓読みと音読み混じっておかしいと思う人は「むちゅうおうぶ」と読んでくれても構わないが、どうせ新造語なので、読み方に決まりはない。
『恋する惑星』の主題歌でもあるフェイ・ウォンの「夢中人 (dreamer)」という歌が好きで、それの日本での読みが「ゆめなかびと」なので、「ゆめなか」という言い方には少しだけこだわりがある
 
 
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さおりちゃんが新谷さんと結婚すると聞き、いよいよ世界も終わりだなと思っていたころ、その新谷さんから作品制作の依頼を受ける。
結婚式の余興としてかける映画を撮ってくれと。
 
 
普通は余興Vといえば、「二人の出会いを再現」とか「二人をよく知るあの人にインタビュー」とかそういうものになると思うのだけど、新谷さんからどんなものでもいいと言われたこともあり、「新郎と新婦が銃と刀で殺し合いをしているが、やがて現れる強大な敵を前に力を合わせて戦う」という物語のアクションミュージカルを作ることにした。
だってなんでもいいって言ったから。
 
 
さおりちゃんがゴスロリの恰好をしているのは別に私の趣味でも私からの要求でもない。
たしか彼女からの提案、いや、ゴスロリを着ることが出演の絶対条件、着るか着ないかじゃない、着るか死ぬかだぐらいの勢いで言われたような気もするが、昔のことなので忘れてしまった。
 
 
撮影時期はもうすぐ桜も咲こうかという時期。桜満開の時期に撮影日をもってきて、松本市の桜の名所弘法山公園で早朝に撮影をするように計画を立てた。
その日の早朝に来れる可能性のある人たちに片っ端から電話をかけたら、集まる集まる。ズバット中心に悪いやつらが向かってくる画などなかなか壮観なものになった。
人を集めることができたのは私の人望などではなく、新谷さんと沙織ちゃんのためならと皆が頑張ってくれたからである。
 
 
早朝の桜の名所で撮影をしていると、当時の私の職場で付き合っているけどそれを隠している(が、大体の人は知っている)訳ありカップルが二人で早朝デートに来ていた。
ああ、どうもと、とても居心地の悪い挨拶をした。二人もこっそりデートで桜を楽しもうとしていたのに、いい大人達が拳銃と刀を振り回しているのを目の当たりにして、さぞ居心地悪かったろう。申し訳ないことをした。
 
 
とにかく桜の花びらをほぼすべてのカットでカメラの前で散らし、スローモーションも多様。ジョン・ウーをパクったような画もある。(刀と拳銃の突きつけあいは『ブロークン・アロー』から、投げナイフのカットは『ワイルドブリット』からいただいた)二人のための映画なのに、私が一番楽しんでしまった感がある。弾着も楽しかった。不発も多かったが。
もともと美人の沙織ちゃんは舞い散る花びらとスローモーション効果でより美しく撮れたと思っている。彼女を綺麗に撮ることだけが目的みたいなもんだった。
 
 
4分53秒から4分57秒の新谷さんのアップショットであるが、あのショットを撮るに際して新谷さんに私が監督として要求したのは

「(北斗の拳の)トキの顔をしてください」

・・・だった。果たしてトキの顔になっているかどうかは見た皆さんにご判断いただきたい。
私はあのカットを何十回見ても笑ってしまう。
 
 
ゲオルクという役名(指揮者のゲオルク・ショルティからとった)のあるズバットはこの作品が初めての私の作品への出演だった。以降さらに3作品で出演してくれた。
何をやっても東映ヒーローっぽくなってしまう独特すぎる芸風の俳優でそこが魅力でもあったが、この作品の場合は台詞なしなこともあり、彼の身体能力も存分に発揮され、ブロンドのウィッグとタンクトップという強烈なビジュアルイメージもあって、めちゃくちゃかっこよく撮れてると思う。あまり悪役をやる印象のない彼の数少ない悪の演技にも注目だ。
 
 
この映画の初お披露目は当然、新谷聡さん&沙織さんの結婚披露宴会場だった。結構な人数の入った場内では大ウケだった。
それ以外は特にコンペに出したりはしていない。もともとそういう目的の作品じゃなかったから。
ただし、一度「オンチ映画祭」の実行委員の方とお話をする機会があって、自主映画イベントにかける映画を出してくれませんか、と依頼をうけて、何作か入ったDVDを送付したところ、これを上映することになったと連絡を受けた。
そのイベントには残念ながら行けなかったのだけど。
 
 
とってる最中も、上映した時も、こうして時々観てる時も、いつも楽しい思いに包まれる、自己満足度のかなり高い作品
アクション映画としては素人くさいけど、別にいいんだ
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