個人的評価: ■■■■■□
[6段階評価 最高:■■■■■■(めったに出さない)、最悪:■□□□□□(わりとよく出す)]
レンタルDVDで観賞
シリーズ中「モーレツ!オトナ帝国の逆襲」と双璧をなす2大傑作の一つ・・・と言われている。
ゲストキャラが主役並にキャラ立ちしていて出番も多く、しんのすけ以外のレギュラーキャラは影が薄くなっているなど、「シリーズである必然性」には乏しい。一方で物語、演出の完成度は非常に高い。クレしんシリーズとしての評価よりも原恵一という作家の評価が先に立つ。
シリーズ内での立ち位置は、ルパンシリーズにおける「カリオストロの城」のそれと似ていると言ってよい。
ただし、いくらシリーズの必然が薄いとはいえ、合戦の真っ只中に飛び込んだ幼稚園児が平気な顔ではしゃいだり、侍にタメ口で語りかけたりしても許されるのはクレヨンしんちゃんシリーズという土台があってこそである。
同じことを別の映画でやれば、あんな子供いるわけねーだろ、と批判されて終わりだろう。もし「クレしん」の名を冠せずにリメイクするのなら、その辺に注意して脚色しなくてはならない。
などと言ってみたのは、この「アッパレ戦国大合戦」を、「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が実写でリメイクすると聞いたからである。
ということは、あのノスタルジー否定の「オトナ帝国」を見て、その上でノスタルジー一色の「三丁目」を作ったのか・・・と思うと山崎監督の強かさに感心すらしてしまうのであった。
「三丁目」で漫画の実写化に成功した実績があるとはいえ、あちらは人情劇、今度は活劇である。オリジナルが素晴らしいデキなだけに、実写化には正直言って期待より不安の方が大きい。
伝え聞く情報によると、実写版でも現代から子供がタイムスリップするという基本設定は変わらないとの事。そして「お又のおっちゃん」に当たるであろう侍を実写では草なぎ剛が演じるとの事。普通に「三丁目」つながりで堤真一がやればいいのに・・・もちろん脚色されアニメのまんまのキャラクターではなくなるのだろうから一概に誰がいいとは言えないけど。
それはさておき、本作はすごく面白い。
しかし子供受けするかは疑問。子供の楽しめる要素は「オトナ帝国」よりさらに少ない。
オトナ帝国にみられたドタバタアクションは少なく、リアルっぽく見える合戦の描写と、侍大将と城主の姫との身分違いの恋、悲しくも美しい落涙必至のラスト・・・と、オトナ向け要素の方が圧倒的に強い。
合戦の描写は、華々しさも豪快さもないが、これまでの映画や漫画では観たことがない地味だが効果的な戦法が面白い。
台車つきの弾よけでゆっくり前進しながら時折発砲するところとか、城を囲んだ敵軍がまず最初に城周辺の田畑を潰して国力を削ごうとするところとか・・・ぞくぞくするほど面白い。
しんのすけがタイムスリップすることに関しては、もっともらしい説明を一切つけず、視覚効果で強引に納得させようともしない。しんのすけが目を閉じてまた開けばそこはもう戦国時代なのだ。なぜタイムスリップしたかと言えば唯一の説明らしきものといえば「運命だから」というだけ。この戦国時代への最短距離を最速でトリップする作劇の無駄の無さ、潔さが素晴らしい。
クライマックスがまた面白く、野原家の意地の大活躍はもの凄く爽快。
そして、しんのすけに突きつけられる「死」に、戦の不毛さが現れ、戦国賛美とはなっていない。
リアルタイムに劇場で観ておくべき作品だった。
「オトナ帝国」と「戦国大合戦」はDVD買ってもいいくらい好きだ。
リメイクか・・・
心配だ・・・
********
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
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シリーズ中「モーレツ!オトナ帝国の逆襲」と双璧をなす2大傑作の一つ・・・と言われている。
ゲストキャラが主役並にキャラ立ちしていて出番も多く、しんのすけ以外のレギュラーキャラは影が薄くなっているなど、「シリーズである必然性」には乏しい。一方で物語、演出の完成度は非常に高い。クレしんシリーズとしての評価よりも原恵一という作家の評価が先に立つ。
シリーズ内での立ち位置は、ルパンシリーズにおける「カリオストロの城」のそれと似ていると言ってよい。
ただし、いくらシリーズの必然が薄いとはいえ、合戦の真っ只中に飛び込んだ幼稚園児が平気な顔ではしゃいだり、侍にタメ口で語りかけたりしても許されるのはクレヨンしんちゃんシリーズという土台があってこそである。
同じことを別の映画でやれば、あんな子供いるわけねーだろ、と批判されて終わりだろう。もし「クレしん」の名を冠せずにリメイクするのなら、その辺に注意して脚色しなくてはならない。
などと言ってみたのは、この「アッパレ戦国大合戦」を、「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が実写でリメイクすると聞いたからである。
ということは、あのノスタルジー否定の「オトナ帝国」を見て、その上でノスタルジー一色の「三丁目」を作ったのか・・・と思うと山崎監督の強かさに感心すらしてしまうのであった。
「三丁目」で漫画の実写化に成功した実績があるとはいえ、あちらは人情劇、今度は活劇である。オリジナルが素晴らしいデキなだけに、実写化には正直言って期待より不安の方が大きい。
伝え聞く情報によると、実写版でも現代から子供がタイムスリップするという基本設定は変わらないとの事。そして「お又のおっちゃん」に当たるであろう侍を実写では草なぎ剛が演じるとの事。普通に「三丁目」つながりで堤真一がやればいいのに・・・もちろん脚色されアニメのまんまのキャラクターではなくなるのだろうから一概に誰がいいとは言えないけど。
それはさておき、本作はすごく面白い。
しかし子供受けするかは疑問。子供の楽しめる要素は「オトナ帝国」よりさらに少ない。
オトナ帝国にみられたドタバタアクションは少なく、リアルっぽく見える合戦の描写と、侍大将と城主の姫との身分違いの恋、悲しくも美しい落涙必至のラスト・・・と、オトナ向け要素の方が圧倒的に強い。
合戦の描写は、華々しさも豪快さもないが、これまでの映画や漫画では観たことがない地味だが効果的な戦法が面白い。
台車つきの弾よけでゆっくり前進しながら時折発砲するところとか、城を囲んだ敵軍がまず最初に城周辺の田畑を潰して国力を削ごうとするところとか・・・ぞくぞくするほど面白い。
しんのすけがタイムスリップすることに関しては、もっともらしい説明を一切つけず、視覚効果で強引に納得させようともしない。しんのすけが目を閉じてまた開けばそこはもう戦国時代なのだ。なぜタイムスリップしたかと言えば唯一の説明らしきものといえば「運命だから」というだけ。この戦国時代への最短距離を最速でトリップする作劇の無駄の無さ、潔さが素晴らしい。
クライマックスがまた面白く、野原家の意地の大活躍はもの凄く爽快。
そして、しんのすけに突きつけられる「死」に、戦の不毛さが現れ、戦国賛美とはなっていない。
リアルタイムに劇場で観ておくべき作品だった。
「オトナ帝国」と「戦国大合戦」はDVD買ってもいいくらい好きだ。
リメイクか・・・
心配だ・・・
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最高なだけに、
実写は不安ですよね。
CGじゃあの感動は
作れないですよ。
子供受けとか、そんなん関係なかったと思います。
感動できるもんは、子供も大人も関係ないなあと思った一本です。
その前の年の「オトナ帝国・・」は、子供にはいまいちでした。
でもって、忘れられないあの古臭い宝塚劇場で、館内一体になって拍手喝采が起きました。
後にも先にも、あんだけ観客が一体となってみた映画は、ありませんです。
聡明なお子さんですなぁ
私が子供の頃観たら絶対退屈してたと思います
オトナ帝国のヒロシの回想シーンで長さに耐えきれず鬼ごっこを始めた子供達を観ているととても戦国大合戦は耐えられないだろう・・・と思ったのでした
けれどテレビ鑑賞と映画館鑑賞は全く違いますから、一体感を味わえた映画館原体験はお子さん達の成長にプラスになったことでしょう。うらやましいお話どうもでした