過労死防止基本法制定を求める署名にご協力ください!

大切な人を働きすぎから守るための法律をつくるために署名を呼び掛けています。

「みんなで過労死を考えるつどい ~ブラック企業対策としての過労死防止基本法~」の報告です!(後半)

2013-05-30 17:04:54 | 活動紹介

先日、5月11日に、京都で「みんなで過労死を考えるつどい」が開催されました。
今回はイベントに参加した学生からの報告です。長くなりましたので、前後半で分割しています。


後半は、実行委員長・古川拓弁護士による「なぜ過労死防止基本法が必要か」、過労死を考える家族の会代表・寺西笑子さんによる「ジュネーブの国連人権規約委員会日本審査の報告」、そして過労死遺族の方々からの発言、の三項目でした。


まず、実行委員長・古川弁護士による講演「なぜ過労死防止法が必要か」。

古川弁護士は、まず「基本法」という法の性格(国の対策の基本方針を示す、個別法の解釈運用の参考にされるなど)について説明したあと、過労やストレスによる健康破壊、そして過労死が増え続けている現状を述べ、これを打開するために「過労死防止基本法」が必要だ、と説明しました。

委員会が求める法の内容は
1. 過労死はあってはならないことを、国が宣言すること
2. 過労死をなくすための、国・自治体・事業主の責務を明確にすること
3. 国は、過労死に関する調査・研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと
です。

なぜ今ある労働法では現状改善のために不十分なのかというと、まず現行法のもとでは企業が法違反してもそもそも訴える労働者が少ない、他の企業との競争のため自社だけ労働条件を改善しているわけにはいかない、という理由で多くの企業が法を守っていないからだそうです。基本法を制定することで、個別の企業単位ではなく、企業に労働法を守らせるよう「国」に働きかけることができるので、今より効果的な労働環境改善が見込まれるのだ、ということです。


 次に、過労死を考える家族の会代表・寺西笑子さんによる「ジュネーブの国連人権規約委員会日本審査の報告」。2013年4月30日の国連社会権規約の日本審査に、「過労死を考える家族の会」が参加してきたことについての報告でした。
(社会権規約の日本勧告は5月17日に出ました。
詳しくはこちら→【記事紹介】産経新聞5月23日 「過労死 日本に改善勧告 国連が異例の「懸念」」
http://blog.goo.ne.jp/stopkaroshi/e/4424af10cf552d8a53df304694969739

日本政府は、国連の審査の場で「日本の労働法制はしっかりしている」という主張をしようとしていました。政府報告へのカウンターレポートとして、法律があったとしてもそれが守られていない現状、過労死が多発している日本の労働の現状がいかに悲惨なものか、そしてご家族を過労死で亡くした遺族の思いを、直接国連の場に赴いて伝えて来たそうです。

発表の場に参加した審査委員の方々は、非常に親身に話をきいてくれ、「日本政府に言ってほしいことを何でも言ってください。皆様の言う通り政府に意見書を書きます」と言ってくださった方もいたそうです。


 そして最後に過労死遺族の方々がそれぞれ数分ずつ自らの思いを語りました。

 教師をしており、9か月間、一日2、3時間睡眠で働き続けた妻を、脳幹出血で亡くした方。辛そうだった息子さんに、なぜ「辞めろ」と言えなかったのかと今も後悔している方。単身赴任中の夫を亡くした方。憧れの臨床工学技士になったのに、過労自殺をしてしまった息子さんを思い、涙をこらえる方。みなさん、口をそろえて「なぜ兆候に気づき、仕事に行くことをとめられなかったのか」「過労死をなくしたい。これ以上自分のような思いをする人がいないようになってほしい」と言っていました。


 過労死をなくすために、過労死防止基本法をまず制定し、運動を進めていくことが必要なのだということを強く思いました。今回の国連社会権規約の日本審査の機会で、世界にむけて働きかけた家族の会の方々の苦労が、改善に向けた大きな一歩となったのでは、と思います。しかし同時に「もっと身近で最もその責任を負うはずの日本政府は、遺族の言葉を親身に聞こうとしたことがあるのか。世界に言われなきゃ動けないなんて、恥ずかしい」と、歯がゆい気持ちになりました。

 私は、実際に家族を過労死で亡くした方の話を直接聞くのは初めてでした。家族が亡くなった、それだけでも辛いことでしょう。それなのに、その故人の努力をむだにしないようにと労災申請してもなかなか通らず、認めてもらうために戦いつづけなければならない。それがどれほど大変で苦しいことなのかを思うと、涙が出そうになりました。また、ご遺族の中には私と同年代の方もいらして、過労死は決して他人事ではないのだと実感しました。

(学生 W.M.)


 以上、5月11日の「みんなで過労死を考えるつどい」の報告でした。



***「過労死防止基本法」制定実行委員会が求めていること***********************

  「過労死」が国際語「karoshi]となってから20年以上が過ぎました。
  しかし、過労死はなくなるどころか、過労死・過労自殺(自死)寸前となりながらも
  働き続けざるを得ない人々が大勢います。

  厳しい企業間競争と世界的な不景気の中、「過労死・過労自殺」をなくすためには、
  個人や家族、個別企業の努力では限界があります。
  そこで、私たちは、下記のような内容の過労死をなくすための法律(過労死防止基本法)の
  制定を求める運動に取り組むことにしました。

  1 過労死はあってはならないことを、国が宣言すること
  2 過労死をなくすための、国・自治体・事業主の責務を明確にすること
  3 国は、過労死に関する調査・研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと

署名へのご協力のお願い
私たちは「過労死防止基本法」の法制化を目指して、「100万人署名」に取り組んでいます。
署名用紙≫(ココをクリックお願いします)をダウンロードしていただき、必要事項をご記入いただいた上で、東京事務所もしくは大阪事務所まで郵送をお願いしたいと思います。

まずは過労死のことや過労死防止基本法を多くの人に知っていただきたいので、ツイッターでつぶやくなどして広めてもらえると助かります。記事の一番下についているボタンからも気軽にツイートできますので、ぜひともご協力お願い致します!
 

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