みなさんこんにちは。
今回の担当は山口剛広です。
最近 周囲でインフルエンザに罹っているという話をよく耳にします。
感染性の胃腸炎も流行しているようですので、十分にお気を付け下さい。
さて、今回は先日 私が受講して参りました、東京都社会保険労務士会で開催された倫理研修についてお話したいと思います。
我々社会保険労務士は、5年に一度、この倫理研修を受講しなければならないことになっています。東京の場合 2時間の集合研修の形で行われ、健康上の理由などの特別な理由がない限り、必ず受講しなければならないことになっています。遅刻や早退が合わせて30分以上となった場合は、受講しなかったものとして取り扱われます。
ところで、そもそも「倫理」とは何でしょうか?
大辞林(第3版)によれば「人として守るべき道。道徳。モラル」となっています。
今回の研修においても、基本的な意味は同じだと思いますが、「職業倫理」という意味での研修であり、簡単に言えば、社会保険労務士としてやってはいけないこと、を認識する研修です。
特に注意しなければいけないのが、特定社会保険労務士としてADR機関でのあっせん代理をする場合等です。
特定社会保険労務士は、個別労働関係紛争に係る紛争解決手続の代理を行うことができますが、例えば顧問先で紛争事件Aが発生し、事業主から相談を受け、それに対して見解を示した後、その対象労働者から代理の依頼があった場合に受任できるでしょうか?
もちろん受任できません。
では、紛争事件Aが終了する前に、紛争事件Aとは別の紛争事件Bに関して、同じ事業主に対してその労働者から代理の依頼があった場合に受任できるでしょうか?
原則として受任できませんが、事業主が同意した場合、受任することができます。
では、紛争事件Aが終了した後、別の紛争事件Cに関して、同じ事業主に対してその労働者から代理の依頼があった場合に受任できるでしょうか?
受任できます。
現実的にはあまりあり得ることではありませんが、やはり注意はしなければなりません。
その他、守秘義務に関すること、信用失墜行為の禁止に関すること、不正行為の指示等の禁止に関することなど、当然のことでありながら、こうした研修を受けることで、再認識させられることもありました。
社会保険労務士法 第1条の2では、「社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない」とされています。
顧問先にとって有益となることを行うことが必要ではありますが、常に倫理を意識した行動を心掛けなければいけないですね。
山口社会保険労務士事務所
所長 山口 剛広 (特定社会保険労務士)