中小企業労働環境改善推進会ブログ!

「ステップブログ!」がリニューアルしました!同じメンバーが、今まで同様、働く上での役立つ情報をお届けします!!

新しい助成金

2010-03-24 14:57:02 | Weblog
皆さんこんにちは、今回の担当の茅根です。

東京でも桜が開花したようですね。
桜というとやはりお花見を思い出します。
ここ数年お花見をしていなかったことに気づいて、
今年は桜を楽しみたいなと思っています。
もちろん、お酒も楽しみたいですね。


さて今回は、新しい助成金が創設されましたので、
その紹介をいたします。
今年の2月24日に創設された「建設労働者緊急雇用確保助成金」
という助成金です。

この助成金は、景気が低迷している中、建設業の倒産や建設労働者の離職が
懸念されており、建設事業主において建設労働者の雇用を確保することや、
建設業離職者の他産業への再就職を促進するために創設されました。
名前だけをみると、建設業者のための助成金のように感じますが、
建設業者・建設業以外の事業所がそれぞれ利用できる部分があります。

この「建設労働者緊急雇用確保助成金」は、「建設業新分野教育訓練助成金」と
「建設業離職者雇用開発助成金」の2つの助成金から出来ています。
それぞれの助成金の内容は・・・

「建設業新分野教育訓練助成金」
雇用保険の適用事業所の中小建設事業主が建設業以外の新しい分野の事業を開始して、
新事業に必要な教育訓練をした場合に、教育訓練に要した費用の一部が助成されます。

支給される金額は、次の①と②を足した金額になります。
① 教育訓練の実施費用の3分の2(1日当たり20万円、60日分が限度)
② 教育訓練を受けさせた労働者1人につき日額7,000円(60日分を限度)


「建設業離職者雇用開発助成金」
雇用保険の適用事業所で建設業以外の事業主が、45以上60歳未満の建設業離職者を、
公共職業安定所又は職業紹介事業者の紹介により継続して雇用した場合に助成されます。

支給される金額は建設業離職者の雇入れ1人につき、事業所の規模に応じて次の額が支給されます。
中小企業:6ヵ月後、1年後にそれぞれ45万円ずつ
中小企業以外:6ヵ月後、1年後にそれぞれ25万円ずつ


先行きの不安感から、従業員の雇用には消極的になりがちですが、
中小企業にとっては、優秀な人材を確保するチャンスでもあります。
従業員を雇い入れる際に受給出来る可能性のある助成金は、他にも多数あります。
採用の予定がある場合には、要件に該当している助成金はないか、
是非確認をしてみてください。


社会保険労務士ちのね事務所
所長 茅根秀俊

4月施行予定の雇用保険の改正

2010-03-17 23:20:28 | Weblog
こんにちは。

今回は星の担当となります。
3月も半ばとなり、桜の季節もすぐそこですね。

4月に施行される見込みの改正雇用保険法の審議が先週衆議院の本会議で始まりました。
今回は4月1日施行の内容が3月下旬に成立・公布となることが見込まれている雇用保険の改正内容についてお伝えします。

主な改正内容は以下となります。

①雇用保険料率の引き下げ(平成22年4月1日施行予定)
        保険料率   事業主負担率 被保険者負担率
一般の事業   1000分の15.5 1000分の 9.5 1000分の6
農林水産・清酒 1000分の17.5 1000分の10.5 1000分の7
  製造の事業
建設の事業   1000分の18.5 1000分の11.5 1000分の7

②雇用保険の適用基準を6ヶ月以上の雇用見込み ⇒ 31日以上雇用見込み(ただし、週所定労働時間20時間未満の方を除く)に緩和し、適用範囲が拡大される予定です。(平成22年4月1日施行予定)

③事業主が被保険者資格取得の届出を行わなかったため雇用保険未加入となった者について、給与から雇用保険料が控除されていることが確認できれば、2年(現行)を超えて遡及適用される予定です。この場合、事業所全体として保険料を納付していないことが確認されたケースについては、保険料徴収時効である2 年経過後でも納付可能となり、納付を勧奨される予定です。
(施行日:公布日から9ヶ月以内の政令で定める日)

社会保険労務士星人事労務コンサルティング 
社会保険労務士 星 美穂


国民健康保険の滞納

2010-03-12 10:49:02 | Weblog
みなさんこんにちは。
今回の担当は小田です。

今年から花粉症発症の恐れ有りです。
・・・いやいや、そんなはずは無い。。。
と、考えることにします。

今日の新聞の社会面に次のような記事が出ていました。

「無保険などで死亡43人」
国民健康保険の保険料を滞納し保険証がなくなるなどの理由で受診が遅れて死亡したとみられる人が2009年は少なくとも17都道府県で33人いたことが11日、全日本民主医療機関連合会(民医連)のまとめで分かった。
保険証は持っていたが、医療費を支払えないなどの理由で受診が遅れて死亡した人も少なくとも6都道府県で10人に上った。
調査は昨年1年間の状況について、民医連に加盟している1,761カ所の医療機関から報告を集計した。

前回、協会健保の保険料率引き上げを取り上げました。
保険料の増大をしないと維持できない制度ということは仕方ないのかもしれませんが、
他方、このように国の制度についていけず支払えないで亡くなる方もいます。
社会保障制度として機能しているのか疑問に思います。


小田社会保険労務士事務所
所長 小田 栄治(特定社会保険労務士)


安全配慮義務

2010-03-03 11:12:30 | Weblog

みなさんこんにちは。
今回の担当は山口です。


早いものでもう3月ですね。
年度末は何かと忙しくなる時期です。
個人的には、確定申告を行う時期でもあり、かなりバタバタした日々を過ごしています。


さて、本日の日本経済新聞にこんな記事がありました。


飲食店支配人寝たきり、2.4億円支払いで和解 残業で過労

 長時間残業の過労で倒れ、寝たきりになったとして、ファミリーレストランの支配人だった鹿児島県鹿屋市のMさん(35)と両親が、店を経営するK社(鹿児島市)に損害賠償などを求めた訴訟で、2日までに、同社が計約2億4千万円を支払うことで裁判外の和解が成立した。和解文書には謝罪の言葉が盛り込まれている。
鹿児島地裁は2月16日、「安全配慮義務違反は明らか」として、約1億8700万円の賠償と未払い残業代約730万円の支払いを命じる判決を言い渡した。Mさんの弁護士は「謝罪して和解したいと会社側から申し出があった。和解金は遅延損害金を含み、判決とほぼ同額。過重労働に起因する労災をめぐる解決額としては過去最高額とみられる」としている。(H22.3.3 日本経済新聞 一部修正)




長時間残業の問題は、飲食店を経営する会社としては必ず直面する問題であり、
どのように管理するべきなのか、会社の実情に合わせて考えなければいけない問題です。
また、この問題は未払残業代の問題とともに、
健康管理の問題がかなりクローズアップされてきています。



Mさんは倒れる前6か月間の時間外労働が200時間を超えていたそうです。

以前は安全配慮義務というものは工場などの「危険」な労働などに対して、求められるものでした。
しかしながら最近では、うつ病や過労自殺に代表されるような、恒常的な長時間労働に起因すると認められる傷病に関しては、会社の安全配慮義務を問われるケースが増えてきています。

ところで、安全配慮義務とは何でしょうか?

2008年に施行された労働契約法では、

労働契約法第5条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする

と規定され、これがいわゆる「安全配慮義務」ということになりますが、それまでは明確に法律で規定されたものはなく、判例などを基に判断されていました。

「予見可能性」があり「結果回避の可能性」があった場合は責任が生ずる、という考え方が通例となっています。

労働安全衛生法などで罰則がある場合等の刑事責任とは別に、損害賠償などの民事責任も問われることになります。


この記事にもある通り、判決では未払いの残業代「730万円」に対して賠償金は「1億8700万円」と非常に高額になっています。
逸失利益や治療にかかる費用など、認められた場合は相当に高額になるケースが多いようです。


もちろんこれは飲食店に限られるものではありません。

その他の業種であっても、長時間労働が恒常的に行われ、それが原因で健康を害した場合は、賠償責任を問われることが十分に考えられるのです。

社員が健康に業務に従事することは、賠償リスクを軽減するだけでなく、会社の業績にも繋がってくるのではないでしょうか?


今一度、労働時間管理についてチェックしてみる良い機会かもしれません。


山口社会保険労務士事務所    
     所長 山口 剛広 (特定社会保険労務士)