社会保険労務士ちのね事務所の茅根秀俊です。
今年の9月は祝日の並びがよくて、シルバーウィークと呼ばれる
大型連休になりましたね。
いろいろな予定を立てられて楽しまれた方も多かったのではないでしょうか。
私のシルバーウィークは、いろいろと準備に追われていました。
何の準備をしていたかというと、開業の準備です。
私はもともと社会保険労務士事務所で勤務社労士として
約9年間働いていたのですが、
10月1日より開業社労士の仲間入りをすることとなりました。
このブログを見ていただいている皆さんのお役に立つ情報を
少しでも提供できるよう頑張っていきますのでよろしくお願いします。
皆さんは自宅と職場の往復にどのような移動手段を使っていますか?
車、バイク、電車、自転車、徒歩などいろいろな手段が考えられると思います。
労働者の方が、通勤の途中に事故などによりケガをしてしまった場合に
通勤災害と認められれば、労災保険から給付を受けることができます。
では、どのような場合に通勤災害と認められるのでしょうか?
住居と就業の場所との間を往復しているときにケガをした場合に
通勤災害と認められるためには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。
① 就業に関しての移動であること
② 合理的な経路及び方法であること
③ 業務の性質を有するものでないこと
これらの要件を満たせば通勤災害と認められるわけですが、
実際には判断に迷ってしまうケースというのがどうしても発生してしまいます。
たとえば・・・
朝寝坊してしまってこのままだと電車に乗り遅れてしまいそう、
会社の規則では自動車・バイクでの通勤はダメなことになっているけど、
今日だけは特別!会社の近くのパーキングに止めておけばいいや、
今日はバイクで行ってしまおう。
なんて経験のある方もいるのではないでしょうか。
そして、運悪く転倒してしまいケガを負ってしまう。
ありそうな話ですよね。
会社で禁止されているバイク通勤の途中にケガをしてしまった場合、
通勤災害と認められるのでしょうか?
このようなケースの場合に問題になるのは、禁止されているバイク通勤は
要件②の合理的な方法になるのかということです。
行政の解釈では
「…鉄道、バス等の公共交通機関を利用し、自動車・自転車等を
本来の用法に従って利用する場合、徒歩の場合等、通常用いられる
交通方法は、当該労働者が平常用いているか否かにかかわらず
一般に合理的な用法と認められる。…」(基発第644号)
となっています。
簡単に言うと、労働者が一般的に使用すると考えられる通勤手段は
すべて合理的な方法になるということなのです。
バイク通勤を禁止している会社でバイク通勤中にケガをした場合でも、
通勤災害と認められ労災給付を受けられる可能性は高いと言えます。
ただし、通勤災害と認められたとしても、会社の規則は破っているわけ
ですから会社から何らかの処分を受けることにはなってしまうでしょう。
社会保険労務士ちのね事務所
所長 茅根秀俊