映画にとって問題は常に「まなざし~regard」です。
ジュリエット・ビノシュ主演の「トスカーナの贋作」、原題は「認証された贋作」、つまり
世の中、いったいなにが本物で何がコピー=にせ物なのか、について語っているストーリーです。
ダヴィンチの「モナリザ」も所詮はほんものの「ジョコンダ婦人」のコピーである、と言う男性作家と、
骨董屋の女主人、ビノシュが二人で場所を変えて始終語りあうだけで、ほとんど終わってしまいます。
好き嫌いのわかれる映画でしょう。
女優という存在は、演じるという行為によって誰かの「コピー」である、という前提ですので、ストーリーには首尾一貫性が全くありません。独身の主人公が結婚していたり、フランス語がしゃべれない作家がフランス語で演じていたりします・・・
それをわざとらしい演技ができない=演技が上手すぎて演技に見えないビノシュが演じているので、ますます話はややこしくなります。
ジュリエット・ビノシュといえば、レオス・カラックスの「汚れた血」「ポンヌフの恋人」という2大衝撃作品?がありましたね。若かりし頃の彼女は不思議な存在でした。
「トスカーナの贋作」、こちらではビノシュの自然体で、ちょっとおばさんぽいところに「凄み」が出ています。 大分市のシネマ5で見ました。
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