銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 | |
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草思社 |
副題は「一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎」です。
なぜ人類が5つの大陸で異なる発展をとげたのか、地理的な条件によって格差が生じているのはなぜ
か、について幅広い視点で上下2巻にわたって説明しています。
上巻を読み終えたところですが、とても面白いので、是非高校生には一読をおすすめします。
上巻の一番の読みどころは、どこよりも早く繁栄したヨーロッパが他の大陸を次々に征服していった理由を述べた章です。
ヨーロッパ大陸が東西方向に伸びる大陸であり、種の分散が容易であったことから大量の食料貯蓄が可能になり、それが人類の定住化と階層社会(食料を作る職業に従事しなくてもすむ人が増えたためにいろんな職の分業が可能になった)につながっていきます。
著者ジャレド・ダイアモンドはこのような強いヨーロッパが近代・現代に計り知れない影響をもたらすようになった分岐点を、1532年11月16日だとしています。
神聖ローマ帝国皇帝カール五世の命を受けたスペイン人ピサロとインカ皇帝アタワルカがペルー高原で出会った日です。
そしてあっという間にインカ帝国は滅びるのですが、この戦いで決定的勝因になったものの一つはピサロ側には「情報」が多くあったことだとしています。
インカ帝国には文字がなく、当然スペインについての情報も何もなかったのに対して、ピサロ側は入念に下調べをして征服の時を虎視眈々と狙っていたわけです。
その1532年の影響で、現在世界で情報を得ようと思ったら「英語」という記号を用いなくてはどうしようもなく遅れてしまう状況にあります。
日本の良いところ=安全・治安はしっかり守りながら、「英語」の裏にある論理的思考を身につけていかないと、いつまでもなにも言えない日本、世界と同じ土俵に立てない日本、でありつづけることに・・・
おすすめの本です。大分のジュンク堂書店にたくさん置いてありましたから売れているのでしょうね。
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