ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

※ブログ下記移転しました(2015年7月以降)
http://ssk-journal.com/

二木啓孝が語る、〝タカ派路線〟を封じ込まざるを得ない安倍政権

2013年01月17日 | Weblog

 26日に安倍晋三内閣が発足する。入閣が取り沙汰されているのは、麻生太郎元首相や林芳正元防衛相、石原伸晃前幹事長、谷垣禎一前総裁や、復興相として衆院宮城6区の小野寺五典元副外相など。どのような布陣になるにせよ、選挙期間中から安倍氏が主張していた自衛隊の国防軍化、集団的自衛権、憲法改正、尖閣諸島での公務員の常駐化など、いわゆる安倍氏の信条であるタカ派路線は封じ込めざるを得ないようだ。

 その理由の一つは、公明党との連携だ。公明党は護憲政党として知られているが、路線の違い以上に、今回の総選挙の大勝がある。小選挙区の自民党候補の得票のうち、実に2万~3万票が公明党票という“下駄”を履いた勝利だったのだ。この下駄を外すと70人前後が通らない勘定になる。選挙協力を仰ぐ意味でも、公明党には気を使わなくてはいけない。

 二つ目の理由は、アメリカとの関係だ。アメリカは民主党政権より安倍政権を歓迎しているが、安倍氏が領土問題で韓国と中国に強硬路線を取れば、日本の背後にいるアメリカと中国との関係が悪化する。また、竹島の問題で強硬路線を取ると、逆に韓国と中国が領土問題で手を結ぶことになる。アメリカにとってこのバランスが変化することは望ましくない。

 実際、安倍氏は今日、賀福志郎元財務相を特使として派遣し、韓国大統領選で当選したセヌリ党の朴槿恵氏に対し親書を渡すことを決めた。衆院選で掲げていた来年2月の「竹島の日」に政府主催の式典を行うことについても見送る姿勢も示している。

 結局、安倍政権は、このところ主張している金融緩和と経済成長、つまり、前年比上昇率2%の物価目標を設定して、デフレから脱却し円高を是正することで、経済を成長させる、という路線で政権を維持するしかなくなってくる。

 安倍氏の主張の封印が解かれるのは、まだ先のことのようだ。

 

 

 
 2012年12月21日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「今日のニュースに一言」でジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
 
「二木啓孝が語る、〝タカ派路線〟を封じ込まざるを得ない安倍政権」
 
を聞き書きしました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。