平成二十六年九月一日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
「朝刊ピックアップ」で記事
「ゼリー、ケーキ、奈良漬け…酒気帯びリスク食品」
を企画、取材、執筆しました。
31日付の朝日新聞に「アルコール入り菓子、気をつけて」という記事がある。それによると、国民生活センターに報告される中には、「百貨店の洋菓子店でパウンドケーキを買い、7歳の娘に食べさせたら吐いた。ブランデーが使われていたが、買ったときには、アルコール入りという説明がなかった」「お土産のゼリーを1歳と3歳の子どもに食べさせたら、子どもの顔が赤くなり、息が酒臭くなって酔っぱらったような状態になった」といった事例があるという。
また、同記事では名古屋市消費生活センターの分析も紹介している。同センターは、市内の百貨店やコンビニなどで、「洋酒」「ワイン」等の表示のあるゼリー46銘柄を調べたところ、アルコール濃度が1.0%以上のものは10銘柄あり、最も多いのは2.2%だった。2.2%の場合、ゼリー1個(125g)でビール(アルコール分5%)換算で約70mlになる。
また、プリンや焼き菓子など21銘柄を調べたところ、チョコレートケーキやラムレーズン入りのアイスクリームなどの洋酒の風味のある菓子のなかで、アルコール度数1.0%を超える商品がいくつもあったという。
そもそも、アルコールが1%以上入っている飲料は、度数を表示する義務があるが、菓子類については表示義務がない。盲点である。
本来なら菓子類にも表示を適用するのが筋だが、この国では、業者の売上を配慮するのが常で、遅々として規制が進まないのが実情なので、自己防衛していく必要がある。
なお、子どもが酔っ払うリスク以外にも、大人が酒気帯びで捕まる危険性もある。例えば、上記の度数2.2%のゼリーを5個食べたら、ビール1缶飲んだに等しい。
それだけではない。ノンアルコールビールは、度数1.0未満なので表示されていないが、度数0.9%以上のケースが多い。これも5本飲んだら、缶ビール1本に近いアルコールを摂取したことになる。さらに、奈良漬けや栄養ドリンクにもアルコールが少しだけ含まれる。
これらは少量の摂取としても、食べた数分後にアルコール濃度を測ってみると、酒気帯び状態と判定される可能性が高いので、時間を空けて運転した方が無難だ。(日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員の片岡英明氏の話。07年12月15付日経プラスワンより)
なお、警察庁の研究結果によると、ノンアルコールビール355ml缶2本、栄養ドリンク1本、奈良漬け50g(7切れ程度)、ウイスキーボンボン3個をそれぞれ、15~20人に摂取させて呼気中アルコール濃度を調べたところ、いずれも「20分後には呼気中濃度はゼロ」になり、運転能力への顕著な影響もみられなかったという(07年4月26日付朝日新聞夕刊より)。なので極端に酒に弱い人でないなら、20分が一つの目安といえそうだ。
その一方で、こんなケースもある。
神戸市西区の小学校の男性教諭(52)は、友人の教員宅で酒かす汁を飲んだ後に運転し、酒気帯び運転で検挙。(07年03月27日付朝日新聞朝刊)
上越市では、市立保育園に勤務する女性保育士(50)が、休日に夕食の準備をしながら梅酒に入っている梅を6~7個食べ、約30分後に車で外出したところ、それから約1時間後に酒気帯び運転で検挙。(07年12月28日付同紙朝刊)
知らず知らずに酒気帯び運転に陥らないよう、注意が必要だ。(佐々木奎一)