ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

※ブログ下記移転しました(2015年7月以降)
http://ssk-journal.com/

「地域猫の創始者」黒澤泰氏が語る「ノラ猫と上手につきあう方法」十一 地域猫活動の進め方

2015年04月29日 | Weblog

 引き続き、「地域猫」の「創始者」である、横浜市保健所職員で獣医師の黒澤泰氏は、こう語った。

  次に、「地域猫活動の進め方」。

 これは、まず、トラブルが起る。すると、どこで、何が起こって揉めているのか、「地域トラブルを把握」する。そして、行政に相談する。

 そして、「地域住民の理解」を得る。理解を得るために、行政はどこまでやるか。まず、町内会に話に行くのかなと思います。そのなかで十分話し合いをし、やってみよう、ということになればね。大体、この辺で、だめだな、というのが多いと思うのですけども。

 とにかく、方法はほかにない、やってみる価値はある、という説明はします。そのなかで、じゃあ、とりあえず、やってみよう、なると、まず、どれだけ、うちの町内は猫がいるのか、どこで何が起こっているのか、苦情、あるいはエサ場、エサあげている人は何人いるのか、そういった「猫の実態把握」をしていく。

 次に、「活動のルール作り」に入る。その地域にふさわしいもの、無理なく活動を継続するための、役割分担、日程を考える。

 そして、まずやらなければならないのは「不妊去勢手術の実施」。捕獲の方法、手術料金助成はあるかどうかなど、ボランティアさんに相談しつつ進めていく。

 そして、「エサ場」。どの場所にするのか。どこでもいいわけではないので、ちゃんと決めなければいけない。了解を得て、地域で決めた場所に固定し、決まった時間以外は与えない。食べ終わるのを待って容器を回収、清掃する。そして、とにかく置きエサ(エサの放置)はしない、というのが、一番大事なこと。

 で、「猫用トイレの設置」。さっきの映像のように、またたびを置くだとか、とにかく、やわらかい場所を、いかにつくってあげるか。いっぱい用意するというのが大事。それに、一回フンをすると、また、ほぐしてやらなければならない。また、猫はキレイ好きですから、パトロールして、常に清潔を保つよう努める。

 そのなかで、「個体の把握」。地域の猫は、どんな猫がいるのか。体色、尾の形状、性別、特徴、健康状態など、猫台帳など作成して記録しておく。けっこうみんな、写真付きで記録しています。

 ただ、外にいる猫ってやっぱり、その猫にとって危険なんですよ。収容されて処分される猫の数よりも、交通事故の方が圧倒的に多い。昨日手術したのに、死んじゃった、とか、交通事故ではねられた、という話は何回も聞いています。外ってやっぱり危険が多いのかな、という気はする。あるいは感染症だったり、虐待をする奴もいる。

 そんな中で、人に、慣れて慣れて慣れてきた猫っています。抱っこできるくらい。これって飼い猫になりやすい素質がある。そういう猫は、なるたけうちにあげたらいいな、という気がします。「新しい飼い主探し」。地域猫から屋内飼育猫にしていく。

 (続く)

 写真は、筆者の近所の地域猫。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。