ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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財界にナメられた野田政権

2012年05月15日 | Weblog

 「東京電力の会長人事がようやく決まった。二転三転した候補者から最終的に下河辺(しもこうべ)和彦・弁護士に内定した。下河辺氏は、原子力損害賠償支援機構の運営委員長として、東京電力の再建計画づくりに携わり、東電の改革を政府の側からサポートしてきた人物。今後は東電内部で改革を実行していく立場になるが、その道のりは険しい。

 まず、「総合特別事業計画」を枝野幸男・経産相に提出して、GW明けにも計画が認定される予定。同計画は、東電が原発事故の賠償金を支払うための、公的資金の交付を受ける前提となる計画である。

 その後、今年6月の株主総会で1兆円金規模の公的資本を注入し東電を実質国有化する。それから同計画に沿った形で、今夏に家庭向け電力料金を約10%値上げしたり、新潟県の柏崎刈羽原発の来年度の再稼働を決めるといった計画を実行していくことになる見込みだが、難航すると見られている。

 そもそも東電会長人事はすべて仙谷由人・政調会長代行の主導の下に行われてきたが、仙谷の頭のなかには、下河辺は“ラストカード”だった。当初は、元トヨタ自動車会長で経団連元会長の奥田碩(ひろし)や、新日本製鉄元会長で経団連元会長の今井敬、伊藤忠商事元会長の丹羽宇一郎など、そうそうたる財界のメンバーに打診していったが、どの人も固辞。原因は経団連がこの政権を信用していないからだ。

 経団連は、東電を身内と思っている。だから、米倉弘昌・経団連現会長が「東電国有化はとんでもない勘違い」と述べたりしている。それほど民主党政権とは路線が違うが、自民党べったりだった財界と対決姿勢をみせなければ、そもそも民主党が政権交代した意味はない。裏を返せば、財界にナメられる形の政権である限り、財界の協力も得られないわけだが、その政権の弱さが露呈した東電人事。このままで東京電力の再生は可能なのか。」(抄)


 
 2012年4月20日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「今日のニュースに一言」でジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
 
「財界にナメられた野田政権」
 
を聞き書きしました。


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