ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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「いいとも」出演の安倍首相がタモリから学ぶこと

2014年04月07日 | Weblog

 平成二十六年三月二十四日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「「いいとも」出演の安倍首相がタモリから学ぶこと」
 
を企画、取材、執筆しました。

 

 連休中日の22日付朝刊は「『長続き秘訣聞きたい』首相『いいとも!』出演」(読売新聞)、「安倍首相『いいとも!』出演『長続きの秘訣聞きたい』」(毎日新聞)という見出しで、今月末で終了するフジテレビ系バラエティー番組「笑っていいとも!」のテレフォンショッキング(タモリとゲストによる一対一のトーク)に安倍晋三首相が出演したことを報じている。

 それによると、安倍首相は、司会のタモリと約20分間、トークを繰り広げ、短命に終わった第1次内閣について「肩に力が入り、うまく息抜きできなかった」と振り返ったり、バラエティー番組のストレス解消効果にふれ、「私がマイナス思考になると、日本全体にも影響していく。ストレスをため込まないようにする必要がある」といい、、ゴルフやスポーツジムでストレス解消をしていることを話したり、今回のサプライズ出演について「32年間続いた国民的番組ですから、ぜひ出していただきたい(とお願いした)」と舞台裏を明かし、タモリを「無形文化財だ」とねぎらったりしたという。

 また、タモリから「今度、一緒に飲みましょう」と誘われると、「長続きの秘訣を聞きたい」と安倍首相は応じたという。

 ちなみに、若い頃のタモリはマニアックで深夜放送向けの芸風で名を馳せていた人物だった。例えば、アサヒ芸能電子版の記事「知られざる『怪人』タモリ伝」によると、若い頃のタモリは、「4か国語マージャン」(中国、韓国、アメリカ、フランス人などが卓を囲み、それぞれの言語をデタラメながら特徴を浮き彫りにさせて話すという芸)や、「イグアナのものまね」などが代名詞だった。

 その頃のタモリにこんなエピソードがあるという。タモリと親交の深いタレントの小松政夫に長男が生まれると、タモリが家に遊びにやって来て、「ガラガラの代わりだと言ってフルチンになり、赤ちゃんの顔の上で『ほら、ガラガラ~』って言いながら腰を振」り始めたという。また、小松の家に桃井かおり、伊集院静など常時20人ほどの来客でにぎわっていた時期に、タモリも足しげく通い、タモリと小松がコントをしていた。「よくやったのが電車で横浜から鹿児島まで行くってヤツ。売り子と客になって、例えば岡山だと『えー、マスカットに切り餅、いかがっすか~』って振るんだ。これに客の側が『くれよ』と言うと、売り子側は必ず『ない』と返す。『マスカットと切り餅、あるって言ったろ!』『いや『マスかくと気持ちいい』って言ったの』これを攻守交代しながら、延々とつなげていく」(小松談)

 また、放送作家の源高志氏によると、タモリは「スター誕生!」(日本テレビ)の山形ロケに参加してホテルでたたずんでいた折、「突然、窓を開けて『犬の遠吠え』のまねをするんだ。そしたら、その声に呼応したのか、山形市内の犬が全部鳴き出したと大騒ぎになった」のだという。

 もっと信じられないのは、高級クラブに行った折、三笠宮寛仁親王が来店していたことがあった。そのとき、タモリは親王に近づいていき、いきなり、女性器の俗称について「殿下、知っていますか?」と質問し、一同をあ然とさせたという。

 「こうした無頼な日々は、昼の帯番組を持ったことで鳴りを潜めてしまった」と同記事にはある。要するに、どうしてタモリが32年間も昼の番組の司会をしていたかというと、マニアックで奇人変人、無頼な芸風を封印したため、とも一面ではいえよう。

 これを安倍首相に例えるなら、いまのように解釈改憲や秘密保護法、憲法改正、NHK人事介入といった、ごく一部の人間にしか支持を得られない偏った行動をとるのではなく、昨年の参院選で大勝する前の、民主党から政権を奪回した頃の“謙虚な政治姿勢”に立ち戻ることこそ、長期政権の道といえるのではないか。安倍首相がタモリから学ぶのかどうか、注目したい。(佐々木奎一)


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