ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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日記 動物園

2015年01月22日 | Weblog

 

 

 昨年春、北海道旭川市にある、旭山動物園に初めて行ってきた。
 
 印象的だったのは、白クマだ。

 その白クマは、うつろな目で口を半開きにしながら5メートルほど歩いて、声を出さずに咆哮するようなしぐさをした後、反転して、約5メートルの距離を戻り、また天を仰ぐような仕草をする。それをひたすら繰り返していた。

 狭い中に閉じ込められてストレスがかかり、ノイローゼになっているように見受けられた。

 また、キリンは、柵を蹴破ろうとして、ガン!ガン!と蹴り続けており、その音が遠くまで響き渡っていた。

 ほかにも、檻の手前で穴を掘って脱走を企てていると見られる動物もいた。

 動物たちは、自由の身になりたそうだった。

 そう思っていたところ、最近、「とらわれの野生 動物園のあり方を考える」(著者:ロブ・レイドロー、監修:山崎恵子、訳:甲賀珠紀/リベルタ出版)」という本を読んだ。

 そこには、動物園では、動物が、ストレスで周りをぐるぐる回り続けるケースがある、と書いてある。

 さらに「飼育が困難な動物たち」という見出しで、「ホッキョクグマ、ゾウ、イルカ(シャチを含む)、大型類人猿(ゴリラ、オランウータン、チンパンジー)は、動物園にいるべきではありません。動物園では実現困難な、広大な自然空間がなければならず、多くは大家族を必要としているからです」とある。

 この定義でいくと、旭山動物園は、白クマを虐待していることになる。

 同書は、「動物園にいる動物たちの生活の質の良し悪しを見分ける指標」を提示している。それは「5つの自由」とよばれるもの。1960年代のイギリスで農場動物を保護するため提唱されたもので、以来、世界中の政府や動物関係団体によって使われるようになったのだという。

 「とらわれの動物が快適に暮らすためには、次の5つの自由が必要です。

 1 飢え、渇き、栄養不良からの自由(栄養のある食餌と新鮮な水)

 2 肉体的苦痛と不快からの自由(適切な避難場所と快適な気候)

 3 苦痛、外傷、疾病からの自由(適切な手当てと獣医師による治療)

 4 正常な行動を表現する自由(広く自然な空間とか豊かな環境)

 5 恐怖や不安からの自由(隠れ家と動物の気持ちを尊重する飼育員)」

 


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