ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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東大、慶応、立教…イッキ飲みで死亡事故多発

2013年05月07日 | Weblog

2013年4月15日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「東大、慶応、立教…イッキ飲みで死亡事故多発」
 
を企画、取材、執筆しました。
 
 

 今月は学校や会社の歓迎会シーズンである。そんな中、14日付の毎日新聞朝刊に「『イッキ飲み』強要やめて 今年も既に3人死亡」という記事があった。

 それによると、飲酒事故で子供を亡くした親らが1992年に設立した「イッキ飲み防止連絡協議会」によると、昨年はサークルなどの懇親会の飲酒事故で5人の学生が死亡。今年も既に3人が亡くなっているという。具体的には、昨年は立教大、山梨学院大、小樽商科大、慶応大、東京大、今年は熊本の専門学校、鹿屋体育大、慶応大の学生が、サークルの懇親会や合宿、友人との飲酒時に急性アルコール中毒などで亡くなっている。

 そうした中、「飲酒による嫌がらせ」を意味する「アルコールハラスメント」(アルハラ)の考え方が広まりつつあり、大学やメーカーが注意を呼びかけているという。

 例えば、立教大は今春、初めてアルハラの注意喚起のはがきを全学生に郵送。東京大も入学式で、「節度を踏みはずすことのないように」と新入生にクギを刺した。また、洋酒メーカーのペルノ・リカール・ジャパン(文京区)は京都大、早稲田大などの学生食堂に啓発のチラシを置いた。

 さらに学生側の自主的な規制もある。小樽商科大は学生自治会が今春、新歓コンパで飲酒を禁じるルールを決定。違反した団体は勧誘が禁じられ、自治会からサークルへの配分金も停止されるという。

 ちなみに、NPO法人ASK(アスク、アルコール薬物問題全国市民協会)の昨年度のアンケート調査によると、学生375人(男199人、 女174人、性別不明2人)のうち、「一年以内にアルハラの現場にいたことがある」は44.7%、「一年以内にアルハラに遭ったことがある」は28%に達している。

 アルハラの状況は、「飲酒の強要(上下関係・部の伝統・はやしたて・罰ゲームなどで飲まざるをえない状況にすること)」、「イッキ」「意図的な酔いつぶし」、「飲めない人への配慮を欠くこと(本人の体質や意向を無視して飲酒を勧めること)」「酔ったうえでの迷惑行為(酔ってからむこと、悪ふざけ、暴力、暴言、セクハラ)」などだ。

 こうしたアルハラを「断れる」39.7%に対し、「断れない」は33.9%、「わからない」は25.9%に上る。

 断れない人たちは、アルハラが刑事、民事責任を問われることを知っておいた方がよさそうだ。ASKによると、例えば、次のケース。先輩「さあA、イッキいってみよう!」、Aくん「すみません。飲めないもんで...」、先輩「バカヤロー! 飲まなきゃ殴るぞ!」、Aくん、仕方なくイッキ飲み。この場合、この先輩は「強要罪(3年以下の懲役)」に問われる。

 他にも、先輩「わが部の伝統だ。新入生は全員つぶれるまで飲ませるから、覚悟してもらおう! 吐く場所も用意してあるぞ。さあB、イッキいってみよう! みなさん、イッキコールよろしく! それイッキ! イッキ! イッキ!……」、A「イッキ! イッキ! ……」、C「いいぞ、いいぞ!」、D「その調子でもう一杯!」、Bは仕方なくイッキ飲み、急性アルコール中毒で病院にかつぎこまれる。

 この場合、先輩は「傷害罪(10年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料)」、死亡した場合は「傷害致死罪(2年以上の有期懲役)」に当たる。

 イッキコールをしたA、C、Dは「傷害現場助勢罪(1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料)」に問われる。

 飲酒による悲劇をなくしていくためには、こうしたアルハラはれきとした犯罪、という認識が必要だろう。(佐々木奎一)

 

 写真は、ASK、HPより。


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