2011年2月21日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
「朝刊ピックアップ」で記事
「〝個人情報〟を盗む公務員たち」
を企画、取材、執筆しました。
キーワードは「個人情報」
霞ヶ関の役人は、「個人情報」というお題目をたてに、自分たちに都合のわるい情報は隠蔽するが、その一方で、国民の個人情報にかんしては、保護するどころか不正に盗んで目的外使用することも実に多い。
たとえば、つい先日も、国民が選んだ、国民の代表である議員の個人情報を役人が盗んでいたことがバレている。
外務省から国立国会図書館に出向した職員が、国会議員から頼まれた調べ物のテーマをひそかに一覧表にまとめ、外務省内で回覧していた、という事件である。
「議員の調査依頼内容、外務省に筒抜け 出向官僚が一覧表」(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0219/TKY201102180596.html
外務省職員、議員の調査依頼リストを本省に報告(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110219-OYT1T00002.htm
こうしたケースは山ほど明らかになっている。ほんの一例を挙げると、2007年には、無駄食いとの批判の強かった参院議員宿舎の建設をめぐり、建設反対派の住民の住所、連絡先、病歴、電話内容などの“個人情報”を、参院職員がリスト化して、宿舎推進派の市民に渡したり、2002年には、旧防衛庁が、情報公開請求した国民の個人情報をリスト化して、「アトピー」「市民オンブズマン代表」「反戦自衛官」といった病歴や肩書、思想信条まで記載して、〝ブラックリスト化〟して、庁内で配り歩いたりしていた。
「水晶は塵を受けず」という言葉がある。「水晶は、けがれとなる一点の塵をも受けつけない」、つまり、「清廉潔白な人は、少しの不正も拒み退けるものである」という意味という。(「新明解 故事ことわざ辞典」(三省堂刊)より)
大臣、知事、区長、市町村長…そうした行政のトップが、「水晶」のようになれば、役人たちはトップを畏怖して、不正はなくなっていくのではないか。