ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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巨人4連敗で敗戦、野球評論家がCSに疑問符

2014年10月25日 | Weblog

 平成二十六年十月二十日付、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「巨人4連敗で敗戦、野球評論家がCSに疑問符」
 
を企画、取材、執筆しました。

 

 19日付の各紙朝刊は「4連敗 G終幕」(読売新聞)、「クライマックスシリーズ―巨人受け身のまま、4連敗で敗退、短期の調整難しく」(日本経済新聞)といった見出しで、セリーグのクライマックスシリーズ(CS)で、阪神が巨人に4連勝して、日本シリーズ進出を決めたことを報じている。

 144試合のレギュラーシーズンでは、巨人は2位の阪神とは7ゲームもの大差をつけて優勝していた。それが、敗者復活の短期決戦のCSでは、格下の阪神に惨敗となってしまった。

 9年ぶりの日本シリーズ進出となった阪神ファンは狂喜乱舞し、道頓堀でダイブする人が続出したが、巨人ファンの方は、さぞかしガッカリしていることだろう。144試合、積み上げてきた勝ち星は、CSというギャンブル性の高い試合で吹っ飛んでしまう。CSに納得いかず、冷めていくファンもいる。

 このCSの不条理について、野球評論家の広澤克実氏は、今月12日付の日本経済新聞電子版の「ダイヤモンドの人間学 緩すぎるCSに限界 前後期制も一案」で、こう記している。広澤氏は、CSについて、「セ、パ6球団中、優勝チームから3位までの3球団が進出する。つまり12分の6。これはいかにも緩い。可能性としては、レギュラーシーズンを負け越しても3位に入り、CS、日本シリーズと勝ち上がれば日本一にもなり得る制度だ。レギュラーシーズンの144試合を負け越したチームに「日本一」の称号を与えるような制度はやはり、問題があると言わざるを得ない」と断言。そして、こう提言している。

 「私は1973年から82年までパ・リーグで採用された前後期制を推したい。この10年間のパ・リーグは前期、後期、双方の覇者がプレーオフを戦い、年間優勝、日本シリーズ進出チームを決めていた。私の案では、交流戦を含む前半戦72試合を前期(ファースト・ステージ)とし、その後の72試合を後期(セカンド・ステージ)として、前期の優勝チームと後期の優勝チームが日本シリーズの進出をかけて戦うCSとする。

 ちなみにパ・リーグが採用していた10年間で前期も後期も優勝チームが一緒のケースは76年と78年の阪急だけである。仮に前期も後期も優勝した場合は、そのまま日本シリーズに進出させればよいのだ。興行収入もこのCSを5試合もすれば、それなりの額になるだろう。現在の「12分の6」の制度よりは、スッキリするのではないだろうか。そして、この仕組みの良いところはプレーオフに進むチームは曲がりなりにも『優勝球団』であるということだ。間違ってもリーグ3位球団が日本一になることはない」

 このように広澤氏は提言している。ちなみに、欧州サッカーでは、スペイン・リーガ、イングランド・プレミアリーグ、イタリア・セリエAといった「各国リーグ」が、約9か月かけて、優勝を争う。これと並行として、前年の各国リーグ上位数チームが、「チャンピオンズリーグ」に進出して、優勝を競う。また、各リーグ5、6位程度までの中位チーム中心に「ヨーロッパリーグ」という大会を開き優勝を争う。そして、ヨーロッパリーグで優勝すると、チャンピオンズリーグの優勝チームと闘う権利を得る。これを「UEFAスーパカップ」という。

 さらに、欧州サッカーでは、トーナメント戦の「スペイン国王杯」「コッパ・イタリア」といった大会も行われる。

 これを日本のプロ野球に当てはめると、一つは、セパ両リーグの優勝チームが、日本シリーズを争う大会。もう一つは、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに準じ、現在のCSのようにセパの上位3チームで優勝を争いつつ、同時に、敗者復活の全員参加の意味合いで、セパの下位チームや社会人、大学野球も入れた大会を開き、最後に両大会の優勝チーム同士がスーパーカップをかけて闘う。もう一つは、トーナメント式の大会となる。

 現行のCSは、ファンがもっと納得いく形に変えていく必要があるのではないか?(佐々木奎一)


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