ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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「大飯原発再稼働」政府の作戦勝ちだが…

2012年06月21日 | Weblog

 「関西電力大飯原発再稼働に関西広域連合が、基本的に承認する形になった。

 これまで反対の声が多かった広域連合が急遽、実質容認したのは政府の作戦勝ちだった。

 今週水曜日、関西広域連合の会合に説得に出かけた細野豪志・原発担当大臣と斎藤勁(つよし)・官房副長官だが、広域連合はそれでも意見がまとまらなかった。ところが、斎藤官房副長官が帰り際に井戸敏三・兵庫県知事に「今夜、関係閣僚会議で再稼働を決めますよ」と耳打ちをした。井戸知事からすれば、意見がまとまらないうちに政府の決定が出ることは、広域連合の存在意義にかかわる。そこで急遽、再稼働を容認する趣旨の声明文を出したわけだ。これは明らかに政府の作戦だ。

 広域連合の声明は、文字どおり玉虫色だから、それぞれの首長がいかようにも解釈しながらコメントを出している。橋下徹・大阪市長がブレたなどとマスコミも書いている。

 この問題の第一は、政府が原発の安全性よりも、電力不足という脅しをかけながら、再稼働させたことだ。

 我々の、政府に対する不信感は、電力会社をキチンとコントロールしていないことによる。昨年の関電の電力不足データは明らかに間違いだったし、東京電力の収益の9割が一般家庭に押しつけられてきた。そんな電力会社の身勝手をいまだに政府がコントロールできていない。

 問題の第二は、脱原発依存を掲げながら、どういうふうにして脱原発にしていくのかを明言していない点だ。経産省の専門委員会は、2030年の段階で原発の依存度を0%から25%まで、それぞれのケースを出しているが、そもそも政府が2030年で何%、2050年で0%、といった工程表を出さない限り、大飯原発再稼働をきっかけに、またぞろ原発54基を動かす気ではないか、という不信感は拭えない。

 一番の問題の根っこは脱原発依存を言った野田政権が、どう自然再生エネルギーに切り替えていくのかという道筋を示さないことだ。」(抄)
 
 
 
 
 2012年6月1日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「今日のニュースに一言」でジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
 
「二木啓孝が語る『大飯原発再稼働』は政府の作戦勝ち」
 
を聞き書きしました。


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