プロコフィエフの日本滞在日記

1918年、ロシアの若き天才作曲家が、大正期のニッポンで過ごした日々

退屈

1918-06-23 | 日本滞在記
1918年6月23日(旧暦6月10日)

 奈良はいいところだが、少し退屈だ。一人でいることに退屈するとは自分でも驚きだが、その原因は、今は何も書く気がしないし、作曲もする気にならないからだ(ちょっとした休憩といったところか)。それに手元にある本はショーペンハウエル一冊だけ。『意志と表象としての世界』をまた読み始め、大いに満足を得たが、この本は少しずつしか読めない。せいぜい一日に一、二時間。だから何もしないでいる時間が多いのだ。