プロコフィエフの日本滞在日記

1918年、ロシアの若き天才作曲家が、大正期のニッポンで過ごした日々

四重奏

1918-06-21 | 日本滞在記
1918年6月21日(旧暦6月8日)

『白い友人』がはかどる一方、フォルチオ〔『許しがたい情熱』の登場人物〕の話は第三章でつまずいてしまった。だがこの話はとても気に入っている。

 ロシアからの電報によると、チェコスロバキア軍がシベリア鉄道のトムスクからサマラまで占領し、ボリシェビキと戦闘中だという。私は最後の列車に乗って無事やりすごせたが、もしコーシツを待っていたら、どうなっていただろう! 一方、それ以前の特急に乗っていたら、辿り着きはしたものの、いやな捜査や圧迫を受けることになっただろう。私は奇跡的にやりすごしたのだ。

『白い四重奏』のアイデアが復活した。少し書き留めたところで、古いテーマ(主要パートの)を思い出した。