プロコフィエフの日本滞在日記

1918年、ロシアの若き天才作曲家が、大正期のニッポンで過ごした日々

短編小説集

1918-06-18 | 日本滞在記
1918年6月18日(旧暦6月5日)

 火曜日。『誤解さまざま』を書き終えた。これでもう短編小説が六編と構想が四つ。全部で十編になる。もう十分だ。

 ピアストロは、着飾ったガールフレンドと一緒に海辺に出かけていった。メローヴィチは、列車で二時間離れた奈良に移動し、そこから電話をかけてきてこっちに来ないかという。とびきりいいホテル〔奈良ホテル〕が公園のなかに建っているのだ。私も行くことになろう。